さようなら　いつかまた
手を振る笑顔　滲んでいった

塩より　しょっぱくても
涙が止まらなくて
ちょっと　濃い味になる

ありがとう　心から
最期の笑顔　忘れない

アタシがこの世に生を得て
物心ついた日から
貴女はすでに　おばぁちゃんで
おじぃちゃんとケンカばっか

くるくるぱー　くるくるぱー　机の端で
ふたりして　いつだって　言い合いなんかはせず

愛する夫（ヒト）が先に
逝っても　くじけないで
独り　強く生きてた

消えてゆく　足跡を
なんにも出来ず　眺めてた

あれからもうすぐ２０年
「そろそろお迎えかしら？」
なんて言葉もウソみたいに
元気な笑顔見せていた

毎年の熱中症　また救急車
今回も即退院？　『いや・・・もって３日です・・・』

愛する夫（ヒト）の元へ
逝っても　大丈夫だよ
独り　ここまで生きた

老衰だ　大往生
この世を去った　夏の午後

お別れの　レシピはね
毎日　積み重なってく

強がり　弱さ見せず
一言　「ありがとう」が
ずっと　心に残る

こちらこそ　ありがとう
最期の寝顔　忘れない