「Ａ」
ふわり、ゆらり、書き綴る
ゆらり、ゆらり、振れる身体
くらり、ゆらり、歪む視線
くらり、くらり。ふらふらと

「Ａ」
膝を抱え、縮こまる
飛んでくる矢は、身を射抜く
「違う」「こうじゃない」「下手すぎる」
いつの間にか、抱えていた爆弾

「Ｂ」
キーに触れる指が震える
ペンを握る手が震える
画面に向かう視界がゆがむ
考える頭が壊される

「Ｓ」
やりたいようにやってみても
周りの希望とかけ離れて
作りたいように作ってみても
周りの期待とかけ離れて

書キ出スコトガ怖クナル
僕ノ心ハモウ、壊レテイタ

「Ｃ」
いつしか生み出す物が自分のモノでなくなって
生み出したものは全てそれは「ジブン」のモノだった

「」
周りの期待に応えたくて
周りの希望に併せたくて
作り出す物・事がすべて
「自分」じゃなく「ジブン」のものだった

「Ｓ」
賞賛が欲しくて
周りの声に応えたくて
頭抱え
悩み、悔やみ
いつしか僕は――

「Ｓ」
作りたいように作れなくても
やりたいようにやれなくても
自分の心砕いてでも
生み出すことをやめたくない
自分という存在が薄れて
「ジブン」という形が生まれてでも
生み出すことをやめたくない
それが僕の唯一の――