恐るべくも世界は目を覚ましたばかり
舞い上がる飛沫に身を浸して
身を固める術などを知るはずもなくて
夜が雪崩込む
転がされるままに刃と盾を纏えば
計り得ぬ終わりといつか見える
流れ流されてが今日の答えだ
明日はどうする?
輝かしく光るあなたの旅路が
道向こうの陽炎に揺れる
きっと誰もが私を見ないまま
演劇/ステージは終わるのかな
だけど
どうしてこんなに胸が熱いのかを
愚かにも私は知らない
きっと 世界が終わるまで気付くはずもない
せめてこの激情に今を委ねて
惑星を灼くようなこの瞬間を
いつか思い出す
私は私になる
降りしきる雨に身を晒して
斯くて物語は終わってゆく
何処がハイライト、エピローグだったか
分かるのはそれが過ぎ去ってから
僅かな煌めきを飲み下して
眩い舞台/ステージを背にした時
それでも物語は続くんだと
誰かが笑った
人知れず息をする 遠い小夜啼鳥
行き交う者の途絶えた 緋々色金の通り
黄昏の角を抜け 水底がやがて二人を迎える
「ひとりじゃ無理だけど」「きっとふたりなら」
「世界だって救えるさ」って
まるで大嘘じゃないか
あなたをなくして、せかいは
せかいは
…だから
だから どうしてこんなに胸が熱いのか
きっと初めから分かっていたんだ
呆れるくらいに泣いても
幾星霜を越えても
またふたり出逢えたらそれだけでいい
どうせ名前のない旅だって言うなら
世界を救ってからが始まりでいい
いま夜を抜ける
光る跡をなぞる
天つ星に触れる
…私は私になる
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