どこから湧いたか小蝿の群れが
わっと飛び出す三角コーナー
汗ではりつくTシャツつまみ
バサバサしながら蛇口回した

オンボロアパートせんべい布団
暑さで目覚めた真夜中三時
ビールが乾いたコップについで
喉に流したぬるい水

暗がりに浮かぶ薄っぺらな美女の
微笑みを受けて湿る寝床にまた戻る

網戸にぺったりはりついている
白い蛾めがけてデコピン打てば
爆音鳴らした熱唱ライダー
坂道照らして降りてゆく


そぞろに開いた液晶画面
眩んだ瞳でパスワード入れて
贔屓の球団逆転負けの
昨夜のスコアにため息ついた

メキッと柱が軋んだ音に
おばけがいるかと鳥肌立って
少しビビってイヤホンつけて
顔を枕に目をつむる

眠れない夜にあの娘の顔を浮かべ
ありもせぬ夢に思いを馳せてまた励む


気づけば真夏の朝日の光
埃まみれのカーテン揺らす
赤黴まみれの風呂場に向かい
冷たい水浴び眠気を覚ます

今日は月曜心底ダルい
朝など来なけりゃ幸せなのに
吐き気をこらえて胃に流し込む
褐色瓶入りビタミン水

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熱帯アパート

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投稿日:2024/01/15 22:38:04

文字数:445文字

カテゴリ:歌詞

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