立つ鳥 跡濁さず
風の如く 消え去り
次の住処 目指せば
広がる虚空 美しさ

脇目ふらず 天を仰ぐ
しなやかな輪郭 幾重に連なって
誇らしげに 正しさだけ
無色の両翼に掲げた

立つ鳥 跡濁さず
泡の如く 消え去り
無二の在処 捨てれば
残るは虚空 美しさ

翼仕舞い 天を仰ぐ
清らかな理 遠目に見送って
相容れない 正しさだけ
灰色の瞳に映した

まるで風の中 流されるように
暁をすり抜けた群鳥
頼りなく揺れる 翼抱き締めて
飛び立つには消せない 感傷

立つ鳥 跡濁せど
夢の如く 満ち足り
終の住処 描けば
微かな記憶 懐かしさ

飽きもせずに 大地駆ける
後ろ影見つめて 理にあらがう
約束した 正しさだけ
透き通る両手で集めた

まるで雲の下 すくい取るように
薄明をかき分けた金色
淡い未来へと 全てを委ねて
飛び立つには足りない 残光

誰も居ない透明な空
押し寄せる美しき理
飛び立つ鳥の群れを眺め
君に 思い馳せる

何も残ることない虚空
しがみつく朧気な正しさ
名前も覚えてない君に 会えるまで

まるで空の果て 指し示すように
朝焼けを背負い舞う綿羽根
未だ遠い地の 背中待ち侘びて
飛び立つには消せない 願望

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A1
たつとり あとにごさず
かぜのごとく きえさり
つぎのすみか めざせば
ひろがるこくう うつくしさ

B1
わきめふらず てんをあおぐ
しなやかなりんかく いくえにつらなあて
ほこらしげに ただしさだけ
むしょくのりょうよくにかかげた

A2
たつとり あとにごさず
あわのごとく きえさり
むにのありか すてれば
のこるわこくう うつくしさ

B2
つばさしまい てんをあおぐ
きよらかなことわり とおめにみおくうて
あいいれない ただしさだけ
はいいろのひとみにうつした

S1
まるでかぜのなか ながされるように
あかつきをすりぬけたむらどり
たよりなくゆれる つばさだきしめて
とびたつにわけせない かんしょう

A3
たつとり あとにごせど
ゆめのごとく みちたり
ついのすみか えがけば
かすかなきおく なつかしさ

B3
あきもせずに だいちかける
うしろかげみつめて ことわりにあらがう
やくそくした ただしさだけ
すきとおるりょうてであつめた

S2
まるでくものした すくいとるように
はくめいをかきわけたこんじき
あわいみらいえと すべてをゆだねて
とびたつにわたりない ざんこう

C
だれもいないとうめいなそら
おしよせるうつくしきことわり
とびたつとりのむれをながめ
きみに おもいはせる

なにものこることないこくう
しがみつくおぼろげなただしさ
なまえもおぼえてないきみに あえるまで

S3
まるでそらのはて さししめすように
あさやけをせおいまうわたばね
いまだとおいちの せなかまちわびて
とびたつにわけせない がんぼう

この作品にはライセンスが付与されていません。この作品を複製・頒布したいときは、作者に連絡して許諾を得て下さい。

カロカガティア

かぎしっぽ様の楽曲「カロカガティア」への応募作です。
https://piapro.jp/t/EFcF

死後は鳥になって空に飛び立つ…というこの世の道理に反してでも、離ればなれになった「君」を待っていたい、という歌詞です。
「荊棘の道」の対になるイメージで書きました。
https://piapro.jp/t/YKWS

閲覧数:151

投稿日:2023/09/18 16:05:04

文字数:1,215文字

カテゴリ:歌詞

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