※注意:グロテスクな表現や、暴力的表現を含みます。(すこ~し入ってます。)
※第一章から読んでいただくことをお勧めします。(下にリンクあり)
全員が、驚いていた。ただ一人、カイトさんだけを除いて……。
「それって、どういうこと……。」
メイコさんが聞いてみた。
すると、カイトさんは、丁寧に、説明を始めた。
「まず、異世界について何だけど――」
――僕らがいるこの世界とは別の世界がいくつか存在する。それらは、十数年に一度別々の世界同士を結ぶ『扉』で、行き来することができる。
そして、そのいくつかの世界が存在する中、つい最近、その『扉』が開いて、その時、別の世界にいたレンが、この世界へとやってきた。
そして、レンがこっちに来た理由が……………」
そこで、カイトさんが、口を止めた。
「来た理由が、なんなの?」
リンちゃんが聞いてみたが……、カイトさんは、うつむき、言うべきなのか迷っているようだった。
「…カイトさん、どうしたんですか?」
聞いたのは、レンだった…。
レンは、私たちより、数倍知りたいはずだ。自分のことなのだから……。
そして、ようやくカイトさんが再び話し始めた。
「……………、実は――」
――今、この世界で最も中心となっている『呪界王族』の中に、その種族の中でも最も中心に居る人物が五人いる。彼らの名前は、全員、僕たちと同じ名前だ。――
「えっ!」
「それって……」
「本当なの?」
再び、全員が、驚きを顔に浮かべただけだった。が、名前が同じということは何かあるはず………。
「本当。」
カイトさんは、あっさりと流した。
――そして、その五人全員が、僕らが、自分たちの分身だと思ったのだろう………、もとは、レンも、こっちの世界に居てもおかしくなかったはずだ。しかし、自分たちの分身が反逆をしてくるかもしれない………、
そこにちょうど『扉』が開いていた。その五人全員を異世界に追いやろうとしたのだろう……。僕らの家族が王族によって殺されたのも、ちょうど同じ時期だった……。
しかし、その作戦は失敗した、しかし、レンだけは、異世界へと行ってしまった。――
もはや、全員が口を閉じていた…黙っていた。それしかできなかった……。
――そして、五人全員を異世界に追いやろうとしたのには理由がある。五人は、ある種の力を持っていて、それで、例え一人が異世界へと、飛ばされていたとしても、再び全員がそろう。そうすると、自分たちは滅ぼされてしまうということを知っていたんだ。――
「じゃ、じゃあ、私が昨日王族に連れて行かれそうになったのは……まさか?」
「おそらく、五人のうちの一人を消してしまおうと思ったのだろう……例え、力を持っていたとしても、それは、一人欠けてしまっただけで、発揮できなくなる……ましてや、殺されてしまったら、どの世界にも存在しない。」
「そ……そんな……。」
危うく、私のせいで、力を発揮できなくなっていたかもしれない……。
「……でも…なぜ私を?」
――『呪界王族』のなかでも、王になっているのが『戒頭(かいと)』人々を捕まえる『拉致部隊』の最高司令官が、『冥子(めいこ)』、人々を見張る『情報部』を統括するのが『燐・煉(りん・れん)』。そして、人々を畜殺し、食料を確保する『畜殺班』の最高責任者が、『美紅(みく)』で、なかでも美紅は、呪界王・戒頭よりも、力を持っている……。そして、その分身に当たるミクが、最も力を持っていると、考えたのだろう。――
「それに………、単独行動しているのもミクだけだし………。」
それを言われると、返す言葉が……………。
案の定、私以外、全員が笑っていた。
「うっ、……………………すいません………………。」
ひとまず誤ったけど、もう一つ変な事に気づいた。
それは―――、
「でも、なんでそんなに知ってるんですか?」
うっかり(してないけど)返した言葉に、カイトさんは、再び、困ったように下を向いた。
「カイト~~」
メイコさんが気絶でもしているかのようなカイトさんの背中を、(かなり強く)叩いた。
「ちょっ!いたい~~!!」
もはや、背中を叩かれた(というより、殴られた?)カイトさんも、笑っていた。
みんな、笑っていた、今は、笑いたかった。
「実は………、勝手に推理しただけ……………。『扉』とか、『呪界王族』は、本当なんだけど……」
「でも……結構当たってるかもね☆」
「かもな!」
あっさり、リンちゃんと、レンが、流した(?)
その夜………
「こうやって、五人集まるのって何年ぶりになるんだろう……。」
レンが、さらっと言う。
「さぁ~、分かんない。」
「だよね。」
その後、いつもなら別れるとこだったんだけど、今日言われたことを思い出し、五人全員一緒に過ごすことになった。
でも………、
「きれいな星空ね~。」
「そうですね~って、メイコさん………、上(天井)ないですけど、雨とか大丈夫なんですか?」
確かに、天井がなくて、雨とか普通に入り込んでくる状態だった………。
「まぁ、生きてるだけ、マシだよ。」
そこにあっさり、カイトさんが入ってきた。
「カイトさん、背中大丈夫?」
リンちゃんが聞いてみると………。
「青あざができてるみたい。」
レンが、あっさりと言った。
「本当に?」
「本当です。」
カイトさん……、叩かれた張本人からも………。
「大丈夫よそれくらい。」
「『だいじょうぶよ』じゃない~。」
泣き面に蜂………、がんばれカイトさん!って、勝手に思ってる私……何考えてるんだか……。
「あっ、流れ星!」
リンちゃんが言った瞬間、全員がこっそりと、お願いしていた。
「カイトさん。『背中が治りますように』って、言った?」
今度は、レンが笑いを来られながら聞いていた。
「違う……、」
「じゃあ、さっき、お願いしたこと、全員で言おうよ。」
リンちゃんの提案に、全員が乗って―――、
「せ~の」
「「「「「いつか、みんなに幸せが来ますように。」」」」」
【呪界二次創作小説】 Music desired 第四章 王族の分身
こんにちは、霧田です。
なにげに、また、結構間隔があいてますね~。(ここも、プロット未終了点)
今回は、前回のカイトのひとことについての説明で大半を終えましたが………なにかしらと死亡フラグが立ち始めてます………。けど、まだ先ですよ。(投稿日的に)
ただ、カイトさんが、自分のただの推理をず~っと言っていたっていうのも笑いどころですね~。
もとは、(呪界的に)笑えないことばっかりだったのですが。誰かと一緒にいると、やっぱり、笑いたくなりませんか?みたいな意味でこうしました。
カイトさんが、あの『バカイト』になってるのは、仕様ですよ(笑)
まぁ、あんまり『バカイト』って言いたくないんですけどね☆
元になった曲『呪界』 http://piapro.jp/content/vxz8wz3xb6hhlanw
前 第三章「人々の宿命」 http://piapro.jp/content/emx1gfsefgkw8jpd
次 第五章「世界を変える力」http://piapro.jp/content/y7x7w9yo4f610ktn(2009/08/05 19:46)
(テキストの矢印ボタンで行き来できることに昨日気づきました。けど一応)
追記 (2009/12/02)
予想以上に長くなりそう&途中で別シリーズ乱入ということで、ブクマにまとめました。
http://piapro.jp/bookmark/?pid=KiritaP&view=text&folder_id=103652
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