静寂が支配する　この世界では
歌う声も響かない　届かない
戒律を守れずに翼を捥がれ
やがて砂に変わりゆく　この肉体

せめてあなたの腕の中で
朽ち果ててゆけるのならば
最後の願い

掠れてゆく　この声で
最後に歌うの　喉が裂けても
遠く揺れる蜃気楼
あなたの笑顔が見えた気がして

運命に遊ばれて　逆らえないで
愚かなことと笑うなら構わない
罪人と罵られ　罰を受けても
消せはしない　この傷が疼いてる

せめてあなたの腕の中へ
もう一度　戻れるならば
何も恐れない

掠れてゆく　この声が
最後に叫ぶの　あなたの名前
出逢いさえも過ちと
想えたのならば小さな痛み

崩れ始めた　この肉体は
涙さえ流せないから
瞳を伏せた

掠れてゆく　この声で
最後に歌うの　喉が裂けても
光の中　包まれて
この記憶さえも空白になる

悲しみさえ溶けてゆく
満たされたままで消えてゆけるの
忘れないで　この歌を
もう悲しくない　瞳を伏せた