――――友達なんかに、なりたくなかった。


≪アディショナルメモリー 前編【自己解釈】≫


 あいつから残されたメッセージは、たった一言だけだった。
「――ごめんね、か」
 俺は、呟く。
 その残されたメッセージを。
 そのメッセージを呟いたところで、あいつが返ってくるはずがない。
 もし、『また明日』というのを止めていれば――何か別のことが起きていたのだろうか。
 分からない。わかり合えない。分かりたくない。
 でもこれだけは言える。
 もう二度と――あいつには会えないことを。


 ◇◇◇


 屋上。
 わたしが命を突き出せば、あの『目』に会うことは出来る。
 けれど、いざやろうと思うと、怖いな。
 怖いというか、恐ろしいというか。
 何というか、なんとも言えない感情。
 でも、わたしはやらなくてはいけない。
 あの目に――カゲロウデイズに入るためには。
 わたしの命そのものを犠牲にしなくちゃいけないんだから。
 彼には、また明日、なんて言っちゃったけれど。
 馬鹿だな、わたしって。
 もう二度と会えないって分かっているなら、言ってしまえば良かったのに。


 ――さよなら、大好きだよ。


 呟いて、わたしは飛び立った。

ライセンス

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【自己解釈】アディショナルメモリー 前編

 ――ごめんね、大好きだよ。


原曲:http://www.nicovideo.jp/watch/sm33854807

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投稿日:2018/09/16 00:19:14

文字数:525文字

カテゴリ:小説

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