改札に吸い込まれる
君の背中を見ていた
言いたいことは言えなかったな
今を壊したくない

君の言葉のすべてに
私はうなずいていた
壊れた機械みたいだったな
それでも嬉しかった

どうか今夜だけは
君のくちびるが
誰にも触れないように
あの子に触れないように

ホントのことを聞いたら
君はいなくなるんでしょ？
涙が止まらないな
言い訳なんていらないから
私の横で眠って
少し乾いたくちびるに
触れさせて

振り向いてくれたことが
淡い夢だったなら
なぜこんなに胸が痛むの
もいだ果実がにじむ

下くちびるかんだ
痛みが肌に刻む
君と過ごした時間を
泡のような夏を

犬のように笑う君の
細い目が好きだったの
焼き付いて離れないな
嘘みたいに優しい君を
試すように突き放した
君が愛しくて
どうしようもなかった

ホントのことを聞いたら
君とサヨナラなんでしょ
涙が止まらないな
嘘も言い訳もいらないの
私の横で眠って
少し乾いたくちびるで
触れてよ

あの子に触れたくちびるで
私を呼んだ君の声は
苦しいほど優しかった
ホントのことを聞いたら
全部消えてしまうんでしょ？
涙があふれてとまらないな