「あらざらむ この世のほかの 思ひ出に
 いまひとたびの 逢ふこともがな」

咳を一つ 落としては 黄泉への道を見る
徐々に近づいていく 黄泉路を 私は一人逝く

胸の痛み 一つ感じ 黄泉の扉を叩く
徐々に向かい逝くは 伊耶那美(いざなみ) 彼の女がいる場所

あゝ どうか もう少しだけ せめて 貴方に逢うまでは

「あらざらむ この世のほかの 思ひ出に
 いまひとたびの 逢ふこともがな」

動かぬ手足 忍び寄るは 黄泉からの死者の影
徐々に引き摺られる 死の影 怯えて過ごす私

あゝ どうか まだ生きたい せめて 貴方に逢うまでは

「あらざらむ この世のほかの 思ひ出に
 いまひとたびの 逢ふこともがな」

行くだろう 私は黄泉へ ただ最期
ただ最後に 貴方に逢いたい

逝くだろう 黄泉路を ただ一人で
けれど思い出に 貴方に逢いたい

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい
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「最期に」

百人一首にインスピレーションを受けて。第二弾。
和泉式部殿の歌に思いを馳せてみました。


あらざらむ この世のほかの 思ひ出に いまひとたびの 逢ふこともがな (和泉式部)

(私はもうすぐ死んでしまうことでしょうが、私のあの世への思い出になるように、
 せめてもう一度なりともあなたにお会いしたいのです。 )

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投稿日:2013/12/03 16:35:05

文字数:374文字

カテゴリ:歌詞

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