乱

煽動は余す所なく轟いて
分断は恙無く遂げられた
げに思惑通りの世相
　
厭世と閉塞を煽れ
明日は暗いと教育せよ
惰性と余禄で食っていると
刷り込んでしまえば勝利さ

無知蒙昧の暴挙
感覚鈍麻の作業
楽しき美しきは罪なり
清く正しく口を噤め
思考放棄（じゅうじゅん）は美徳なり

油まみれの実用と
爛れた実のなる楽園で
わずか三字の号令（めい）と
火薬と酒精でいろはにほへと
見せかけの奉仕（サービス）と
膿んだ身を焦がす煽情で
誰の涙が流れようとも　善いの　悦いの
嗚呼


利己と不安を煽れ
歴史は暗いと教育せよ
根も葉も此処には育たぬなんて
教え込まれて敗北さ

黴臭い影法師と鬼退治の遊戯（あそび）
胡乱な分析屋の予言に怯えて

誰でもよかったなんて嘘だろう
「誰でもよかった」
「誰でもよかった」
己よりも弱ければ

君に幸あれ　君に幸あれ
そう願うのがそんなにも罪なら
誰と　誰と　逢瀬を重ね
私は泥に塗れていく


我欲まみれの方針と
不落の実のなる楽園で
ちんけな二字の大義と
発破と花とちりぬるを
張りぼての教義（ドグマ）と
生んだ子を焦がす煽情で
誰の涙が流れようとも　善いの　悦いの
嗚呼

油まみれの実用と
爛れた実のなる楽園で
わずか三字の号令と
火薬と酒精でいろはにほへと
見せかけの奉仕と
膿んだ身を焦がす煽情で
君の血が流れていようとも
嗚呼


さあ征けと
さあ征けと