「そうなの?こんど、ミクさんが絵本を作るの?」
ルカさんはそういって、ミルフィーユをひとくち、口に運んだ。
「ええ、そうなんですよ」
コヨミ君はうなずいて言った。
「それも、絵本といっても、4コママンガと絵本をミックスしたみたいな、です」
「へえ、面白そうね」
ルカさんは、にっこりと笑った。
ルカさんが勤めている、雑貨メーカー「ハミングス」の1階にある喫茶店、「カフェ・ドナ」。
ルカさんとコヨミ君が、話し込んでいる。
●ガールズ・バンドの絵本
ルカさんは、カフェの壁の方を見て、言った。
「うちの、このカフェで、いまテトちゃんが絵本のコーナーを、少しずつ増やしているの」
コヨミ君はうなずいた。
「ええ、聞いてます。テトさんが、ここの店長さんなんでしょう」
「そうなの。そうか、ミクさんが絵本をつくるのなら、ここでその絵本のイベントとかも、できるかもね」
ルカさんは言った。なんだか楽しそうだ。
「絵本の内容って、聞いてもいいのかな?」
「別にかまいませんよ。ルカさんは口が堅いし。あの、元気のいいガールズ・バンドが、テーマなんです」
ルカさんは目を見開いた。
「あら、楽しそうね。ガールズ・バンドって...。あれかしら、リンちゃんとかがやってるような?」
「そうそう、そうなんですよ。リンちゃんとか、その仲間のバンドとかが登場してくる」
●元気で、パンチのあるトート
「面白そうね。あっ、そうだ」
ルカさんは、ケーキを食べる手を止めて、小さく叫ぶ。
「じゃあ、うちの“トートバッグ”と、コラボしましょうよ。絵柄を、バッグのデザインにして」
「トートバッグ、って?あの、ハミングスで作ってる、雑貨のトートバッグですか?」
「うん、そうなの。うちのトートバッグのデザインね、さいきん、LINEのスタンプとか、人気の4コマとか。そんな柄との、コラボをしているのよ」
ルカさんの目が輝きだした。雑貨メーカーのハミングスで、いま人気の商品は、トートバッグなのだ。
「そんなのも、面白いですね」
さすが、ルカさんだ、と彼は思った。彼女の企画力と、イメージの展開力は素早い。
「うん、楽しそうね。ガールズ・バンドの、元気のいい感じで、ミクさんのデザインなら...きっと人気になりそう」
ルカさんはテーブルの上で、手のひらを組んでつぶやく。
「そうだ!トートのネーミングもひらめいた。“はねっ返りトート”、とかね!」
コヨミ君は聞き返した。「はねっ返り...?」
「そう。元気が良くて、パンチのあるトートバッグができそうね」
うきうきして、はずんだ調子で言う彼女を見て、彼は思った。
「発送がトンでるな~。はねっ返り、か。この人のアタマの中の方が、はねっ返り、だねぇ」 (・o・)ゞ
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