A+B

悴む夜を切り分けて食べよう
歌を焚べて言葉を啜っている
大きな布が被さったように
あなたの夜も窮屈だろうか
この街の闇は
恐ろしい空っぽではなくて
御伽噺から
始まりでいつも満ちているから

S

僕たちも相聞のなか
あなたの言葉で息をしている
少しだけ苦しいような
それは光りじゃなくて
太陽とは違って

B

この街の闇は 五月雨のけぶるのによく似ていて
不凍の水底 優しさに触れた
あなたの底だ

S'

僕たちは相聞のなか
心のことだけ話していようよ
影だけを携えて ねえ
息を継がなきゃいけない海を生きていこうよ

SS

僕たちは相聞のなか
あなたも言葉で息をしている
少しだけ苦しいような
それは光りじゃなくて
厚い泥で眠って

僕たちは相聞のなか……

~~~

A

かじかむよるをきりわけてたべよう
うたをくべて ことばをすすっている
おおきなぬのが かぶさったように
あなたのよるも きゅうくつだろうか

B

このまちのやみは
おそろしい からっぽではなくて
おとぎばなしから
はじまりで いつも みちているから

ぼくたちも そうもんのなか
あなたのことばで いきをしている
すこしだけ くるしいような
それはひかりじゃなくて
たいようとはちがって

このまちのやみは
さみだれの けぶるのににていて
ふとうのみなそこ
やさしさに ふれた あなたのそこだ

ぼくたちは そうもんのなか
こころのことだけ はなしていようよ
かげだけを たずさえて ねえ
いきをつがなきゃいけない
うみをいきていこうよ

ぼくたちは そうもんのなか
あなたもことばで いきをしている
すこしだけ くるしいような
それはひかりじゃなくて
あついどろでねむって

ぼくたちは そうもんのなか

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相聞

この国の夜は、万葉の時代からはじまりで満ちていました。

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投稿日:2022/01/10 00:13:04

文字数:751文字

カテゴリ:歌詞

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