A
我儘な王様みたいに
幼い君はいつも不機嫌に
唇を尖らせてみたり
わけもなく黙り込んでみたり

君の中で吹き荒ぶ嵐は
時折ひどく透き通って見えた
僕はそういう時、決まって君を抱きしめて
下手くそな子守唄を歌った
君を寂しい子どもにはしたくなかった
B
背が伸びるほど削られていく丸みは
僕と君にとって一体何だったのだろう
手を繋ぐのにも理由がいるなんて
あの頃の僕は知りもしなかったから
気づけるはずもなかったんだ
S
君を好きになることがきっと
僕の人生で一番の花だったと
気づいた時には君は綺麗な
花束を胸に微笑んでいた
真っ白なヴェールに包まれて
生まれ直したような眩しさで
僕の心をそっと焦がした

A
突然に終わりを知るのは
傷つくけれど仕方ないことだ
さよならを告げないでいれば
君はまだ遠くへは行かない

君のように優しくあれたなら
こんなに深い孤独を抱えても
君に嘘なんてさ、つかなくて済んだだろうか
下手くそな子守唄が今でも
僕を寂しい子どものままにしてるんだ
B
時が経つほど苦味を帯びた青さは
僕と君にとって一体何だったのだろう
掛け違えていたボタンが転がって
爪先に触れてようやく気づくような
あまりに遅い春の痛み
S
君を好きになることがきっと
僕の人生で唯一の春だったと
気づいた時には君は遠くて
あの頃と同じ優しい顔で
真っ直ぐに前だけ見つめてた
生まれ直したように美しい
その眼差しが愛おしかった

C
さよならを告げても
もう追いかけてはくれないんだろう
でもそれでいいんだ
泣いたって笑ったって好きだった
ずっと君が好きだったよ

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はなむけ

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投稿日:2020/05/23 18:39:27

文字数:683文字

カテゴリ:歌詞

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