僕はあれから考えていた。
 なんども、何度も考えていた。
 あれは想像だったのか? 偽りだったのか? 現実じゃなかったのか?
 彼女――初音とは会えないのか?
 そんなことを――今日も思っていた。

***

 僕はあれから少しして退院、何年ぶりかの学校は僕を優しく受け止めた。クラスメイトも僕に優しくしてくれたし、なんでもルカが僕のクラスにいて、一緒になんでも教えてくれるのが助かるものだ。
 けれど、大体授業は解ってしまう。やはり、ツマラナイモノはつまらなかった。
 人間とは何か? 現実とは何か?
 神とは――なんなのか。
 僕は頭をフル回転させる中――薄れゆく思い出を思いだす。
 記憶はいつまでも覚えているわけでもなく、最終的には枯れていくものだ。例えば老齢な人間が生まれた頃の記憶を思い出すことなどほぼ有り得ない。要はそういうことである。
 天空にある城とか美少女のカミサマとかなんだかどっかのライトノベルでありそうなことではあるが、あんまり現実とは言い難い出来事じゃないかと思う。

「神威、どうしたのー」

 僕の幼馴染であるルカは笑う。けれど、思い出すのは君以外の顔。だけど、名前は思い出せない。
 なぜだろう。そのことは、きっと今の世界よりかは大切にすべき時間のはずなのに。
 なぜだろう。それは例え、カミサマの悪戯だとしても、忘れてはいけないはずなのに。
 ――ただ、それすらもどうでもいいことに思えてしまうんだけど。
 ――でも、なぜだろう。
 ――また、会える気がするんだ。彼女と。
 そう、初音と。



『雨と恋と幼馴染』につづく。

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

僕と彼女の不思議な日常 エピローグ

そして、この物語は、終わらない。

閲覧数:450

投稿日:2012/05/19 23:50:36

文字数:683文字

カテゴリ:小説

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  • 雪りんご*イン率低下

    雪りんご*イン率低下

    ご意見・ご感想

    「雨と恋と幼馴染」に続く……だと?!
    え、ってことは、そっちのシリーズで初音ちゃん(←)出るの!?

    あ、ヤバイです。鼻血でそうです。めっちゃ楽しみにしてますです。(((落ち着け

    2012/05/20 09:17:50

    • aurora

      aurora

      続きますです。
      伏線投げっぱですしね…… 初音ちゃん(←)ももちろん出ますよ!
      「雨と恋と幼馴染」はあと30話以上あるんでじっくりと見ていただければ・・・!

      2012/05/20 14:05:07

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