「こんにちは」

そうドアをノックした貴方は黒い衣で身を包んでいた


「迷いました」

そう言う貴方のフードの中身はなぁに？


招入れた家
見慣れたシルクのカーテンから零れる光と
私が奏でる声に貴方は微かに笑う

(サビ)
ああどうしようもなく
貴方にときめきました
ああどうしても
貴方と話をし続けていたい




「またきたよ」

そう言って貴方は私に笑いかけてくれた

「おみやげも」

そう差し出す手には貴方からの赤い林檎


招入れた家
テーブルの上には用意していた甘いお菓子と
私が淹れる紅茶を温かそうに飲む貴方

(サビ)
ああどうしようもなく
貴方を愛しました
ああどうしても
貴方を手に入れたい




崩れる身体
支えるソファ
目の前で倒れる貴方に触れるだけの口づけを―…



あなたがくれたあかいりんご
さいしょでさいごのおくりもの
きれいなあかいルビーのような
わたしにぴったりなあかいりんご
ひとくちかじると―…















貴方と同じ
倒れる私
唇からは赤く滴る血が



ああそうか
あなたもおんなじきもちだったのね
あいしてるっていえたらいいのに


もうこんなじゃいえないや