~第4章~
    呪い

私は今日も街でお菓子を売り続ける

絶対に諦めない

だけどいつもどおり

誰ひとりとして私を見る人はいない

みんな通り過ぎていく

この賑やかな街のすみで一人寂しくお菓子を売っている私を

気づく人はいない

どうして?

やっぱり呪いのせいなのかな・・・

私は泣きそうになった

あれ?なんで

いつもこんな毎日で

ずっと耐えられてきたのに

なんで・・・

そんなとき誰かが私を押しのけ

私は思わず「きゃっ」と言ってしまい

そのばに倒れてしまった

顔を上げるとお菓子を入れてあった籠が転がり

お菓子も飛び出していた

私は立ち上がろうとしたら

目の前の人々が

転がったお菓子を踏んでいった

誰も罪悪感もなしに

平気な顔でお菓子を踏んでいく

そのとき私は我慢しきれず

一滴の涙を流した

しかしそんなことは誰も気にせず

転がったお菓子も拾おうとせず

私を避けていった

私は涙を拭い

お菓子を惨めに拾い集める

そのとき隣から伸びてきた手が

みんながふんだドロドロのパイを

徐に口に入れこういった

「おいしいね」

私はその声を聞いたとき

一瞬にして涙が消えた

それはまるで輪郭を描くようだった

私は唖然としながら彼を見ていたら

彼が立ち上がり手を私に差し出した

私はその手をつかみ立ち上がった

そしたら彼が言い出した

「はじめまして。このパイすっごくおいしいね」

「本当ですか?ありがとうございます!」

「いくら?」

「え?」

私は驚いた

何故ならこの人が初めてパイを買おうとしてくれたから

今までこんな人はいなかった

私は

「いえ、無料でいいですよ」

と言った

私にとっては利益にならないけど

損はしないと思う

何故なら

幸せへの第一歩になったと思うから

そしたら彼は

「そうか、でもお礼はしたいな」

「いいですよ、本当に」

「いや、じゃぁ僕の家に来てくれるかな?」

「え?」

なんて大胆!

女の子をいきなり家につれていくなんて!

私は少し顔が火照ってしまったけど

なんとか我慢して

「じゃぁおじゃまします」

と言い

彼についていった

彼は家に行くまでに自己紹介をしてくれた

彼の名前は「サウル・ノヴァーリ」

私とほとんど同じ年齢だ

家は一人暮らし

この世界では子供の一人暮らしは珍しくない

私もそうだ

そして私も名乗ろうとした

しかし・・・

あれ?どうして

自分の名前が思い浮かばない

なんで

もしかして私に名前がない・・・?

そのとき、私はその場に倒れ込んだ

自分で何が起こっているのかわからなくなった

そしてついに私は意識をなくしてしまった

そしたら彼は必死に私をおぶって

彼の家まで運んでくれた

彼の家で目覚めたあと

私は希望と悲惨を味わうことになった

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

林檎売りの泡沫少女 第四章

第四章連続投稿!
オリジナルストーリーどんどん入れていくので
頑張って付いてきてください!
次回は少女の秘密が明らかに!?

閲覧数:77

投稿日:2013/05/03 15:30:39

文字数:1,218文字

カテゴリ:小説

オススメ作品

クリップボードにコピーしました