“虹の生まれたその麓”
　“「宝が眠る」と人は言う”


＜A＞
　遥か彼方、虹が生まれる
　　　その麓に　誰が見たのか　
　龍が守る宝があると
　　　昔々の言い伝え

＜B＞
　数多の人が捜せども
　　　辿り着けたる人はなし
　夢物語と笑われて
　　　忘れ去られた言い伝え


＜A＞
　時代は流れ、未開の地へと
　　　自由に旅する冒険者
　何も知らずに辿り着いた
　　　昔々の言い伝え

＜B＞
　深き峡谷、光満ち
　　　この世稀なる絶景かな
　喜び進む冒険者
　　　朽ち逝く龍と　対峙した

＜Ｂ´かC＞
　老いた身体を横たえて
　　　掠れた声は、こう告げた
　「ここは終着　“影の谷”
　　　何の宝もありはせぬ」



＜サビ＞
　重力から解き放たれた龍の魂
　　　美しくも鮮やかな軌跡を描き
　空と大地の狭間を翔けぬけた


　幸運なる冒険者
　声も上げずに　ただ泣いた



―――*―――*―――*―――*―――*―――*―――*―――



　にじのうまれたそのふもと
　たからがねむるとひとはいう


＜A＞
　はるかかなた　にじがうまれる　/6+7
　そのふもとに　だれがみたのか　/6+7
　(りゅ)うがまもる　たからがあると　/6+7
　むかしむかし　のいいつたえ　/6+6

＜B＞
　あまたのひとが　さがせども　/7+5
　たどりつけたる　ひとはなし　/7+5
　つくりばなしと　わらわれて　/7+5
　わすれさられた　いいつたえ　/7+5


＜A＞
　ときはながれ　みかいのちへと　/6+7
　じゆうにたび　するぼうけん(しゃ)　/6+7
　なにもしらず　にたどりついた　/6+7
　むかしむかし　のいいつたえ　/6+6

＜B＞
　ふかき(きょ)うこく　ひかりみち　/7+5
　このよまれなる　(ぜっ)けいかな　/7+5
　よろこびすすむ　ぼうけん(しゃ)　/7+5
　くちゆく(りゅ)うと　たいじした　/7+5

＜Ｂ´かC＞
　おいたからだを　よこたえて　/7+5
　かすれたこえは　こうつげた　/7+5
　ここは(しゅ)う(ちゃ)く　かげのたに　/7+5
　なんのたからも　ありはせぬ　/7+5


＜サビ＞
　くさびよりときはなたれた(りゅ)うのこころ　/18
　うつくしくもあざやかなきせきをえがき　/18
　そらとだいちのはざまをかけぬけた　/16

　こううんなる　ぼうけん(しゃ)　/6+5
　こえもあげず　ただないた　/6+5