氷がささやく大地 鉛を溶かした空
冬に閉ざされた町 孤独がぼくを囚える
あの日 君が残した光も
小さく消えそうで
遠い春を待ち焦がれ震える
深い悲しみの白
音もなく降り続く雪 世界を凍らせて
日差しを奪われた窓 薄れる君のぬくもり
あの日 ぼくと重ねた指先
切なくよみがえる
狭い部屋であたためた憧憬（あこがれ）は
清い悲しみの恋
歩道を寄り添い歩く 見知らぬ恋人たち
まるで瞼の裏に 焼き付くふたりの残像
やがて燃え尽きる炎の輝き
一途な僕たちの日々
青い春の帰らない追憶に
鈴の音 悲しく響く
あの日 ふたり見ていた夢の痕跡（あと）
惑わす白い闇
君がいない凍てついたこの町にも
春は来るのですか
春は来るのですか…
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