<特務戦隊 Lパワード! 第2話 指令:ヒーローショー会場のちびっ子たちを守れ!>

(優楽園遊園地 特設会場・昼)

ワイワイ キャッキャッ

ナレーションのおねーさん:さぁ、ちびっ子のみんなぁ~、元気良く名前を呼んでね~、じゃあ、行くよ!。

ちびっ子達&ナレーションのおねーさん:えるパワード~!

シ~ン

ナレーションのおねーさん:あ、あれ?、どうしたのでしょう?、ヒーローが出てきません!。

???の声:今日のこの会場は、我々が占拠する!。
女の子:きゃあああ!
???の小声:親御さん、お約束有り難うございます。
親御さん:いえいえ。

先頭の黒い戦闘員が、観客席の通路から入ってきて、お約束の女の子を一人抱えて、会場のステージ中央までやってきた。

ワルイダー(役者):ハ!ハ!ハ!、Lパワード!、今日は我々が先手を取ったぞ!。しかも人質付きだ!。出て来れまい!。
ナレーションのおねーさん:ああ!、どうしましょう!、悪の組織が先に出てきて、女の子が掴まってしまいました!。Lパワード!、助けて!。
ワルイダー(役者):ハ!ハ!ハ!。

***

(ステージの袖)

マスタールカ:なんで“本物のヒーロー”が、ヒーローショーのバイトしなくちゃいけないのよ・・・・。
ハニィリリィ:しかも、せっかくの日曜日で、喫茶店の定休日に・・・。メイコさん、どういうマネージメントしてるのよ・・・。
ガンマンエル:僕はヒーローショー好きだからワクワクしてますけど。皆さんは厳しいですよね・・・。
ヒーリングミク:武器を使えないし、戦っているフリのお遊戯ミクけどね。
アイスカイト:オレの自前のマフラーパンツスーツ、ナレーションのおねーさんに断られて、支給品になったよ・・・。せっかくちびっ子達にオレの美しさを教えてやろうと思ったのに・・・。
ハニィリリィ:あー、それだけは助かったみたいね。
マスタールカ:さて、そろそろミキさんの出番ね。このステージの“仕掛け”だしね。確かそれが合図だったわね。
ガンマンエル:ワクワクしますよ!。

***

(ステージ)

ワルナノヨ:ワルイダー様、人質は私めがしっかりと守っておきます。
ワルイダー:そうか。では、人質を頼むぞ!。

ワルイダーは戦闘員へ、人質を女性幹部ワルナノヨへ渡すように命令した。無事、人質はワルナノヨに渡った。

ワルナノヨ:ハ!ハ!ハ!、うかつだったな!、ワルイダー!。
ワルイダー:何?・・・・もしかして、お前は!。

バッ!

ワルナノヨはマントをひるがえした!。そしてそこには、人質を保護した“ミキ”が立っていた。

ナレーションのおねーさん:あああっと!、なんとLパワードの“ミキ”さんが、“ワルナノヨ“に変装していたのだ~!。
ミキ:ナレーションのおねーさん!、会場のみんな!、人質は私が無事保護したわ!。みんなで“Lパワード”を呼んでね!。

ミキは女の子を抱えて、観客席の通路を通り、先ほどの親御さんに女の子をかえした。

女の子:ぐすっ。
ミキ:ご協力、有り難うございます。
親御さん:いえいえ。せっかく大人気のこの役になれたのに、この子、泣いちゃって。すみません。

ナレーションのおねーさん:さぁ!、みんな!、今度こそ、Lパワードを呼びましょう!。さぁ、行くよ!、せーの!、

その時、ステージ中央に黒い球体が現れ、何人か出てきた後、球体は消えてしまった。

シテヤンヨ:ヤンヨー!。
ガクポ:おい、スウィート・アン、ホントにここに反応があったでござるか??。
怪人スウィート・アン:スウィーーーーーーーーート!。
メグポ:あったみたいね。
ガクポ:しかし、弟君の年齢から考えて、ちょっとここは“ちびっ子過ぎる”場所でござるよ?。
メグポ:あら?、確かあの方、こういうの好きだったはずだけど?。

ワルイダーや戦闘員達“役者連中”はオロオロしていた。まさか“本物の悪者”が来てしまうとは思ってなかったのだ。

???:待て!。
ガクポ:何やつ!。

舞台の袖から、いつものヒーロー5人が颯爽と現れた!。

マスタールカ:Lパワード、参上!。現場の問題で爆発演出と各人の紹介は省略!。

コケコケコケコケ

残りの4人はこけてしまった。

ガンマンエル:マスタールカさん?、ここは見せ場ですよ??。
アイスカイト:そうだ!、ここで目立たなかったら、役得にならんぞ!?。
マスタールカ:仕方ないでしょ!。役者の方々とナレーションのおねーさんと会場の観客の避難の方が先です!。ミキさん!、誘導をお願いね!。

会場の観客席の方から、ミキが答えた。

ミキ:はい!、こちらは大丈夫です!。さぁ、皆さん、落ち着いて出口の方へ!。
ナレーションのおねーさん:(さすが本職)、は、はい!。皆さん、落ち着いて移動して下さい!。
ワルイダー:まさか、本物が出て来ちゃうとは・・・。

ダッダッダッ

ようやく会場には、ガクポ達とLパワードの面々だけになった。

スウィート・アン:スウィート?。
ガクポ:ううむ。まだ反応は消えてないでござるか。避難した連中は遠くには行ってないようでござるな。
メグポ:じゃあ、“お笑い戦隊”をさっさと片付けて、追いかけましょう!。
マスタールカ:“特務戦隊”よ!!!!。
ガクポ:どっちでもいいでござるよ!。それにここではさすがに、ご自慢の“銃”は使えまい!。どうするでござる?、Lパワード!。

マスタールカ:ふっふっふっ、こちらの武器は銃だけではないのだよ、明智君!。
ガクポ:明智君じゃないでござる!。
マスタールカ:さぁ、みんな!、私の“レンキソード”にパーツをセットして!。
みんな:おお!。

カチャ カチャ

皆はマスタールカの近くに集まり、前とは別のパーツをマスタールカが持っていた日本刀“レンキソード”に合体させていった!。

ガクポ:ええい!、こざかしい!、行け!、スウィート・アン!。
スウィート・アン:スウィーーーーーーーート!!!!。

怪人は真っ直ぐにLパワードに向かっていった!。ステージは狭いので、すぐにLパワードの所までたどり着いた!。

マスタールカ:“飛んで火にいる夏の虫“とはこの事だ!。必殺!、ダンシングソード!!!!。

ズバッ!、ズバッ!

マスタールカが持っていた合体剣の剣先が5色の残像を残しながら、高速で怪人の体を何度も斬りつけていった!。右から左へ!、左から右へ!。

スウィート・アン:ス・・・・スウィーーーーート!!!!。

ボカーーーーーーン!!!!

怪人は、いつものように爆発し、消えてなくなった。

ガクポ:えええい、またしてもやられたでござるか・・・。
メグポ:兄上、今日も撤退しましょう。
ガクポ:“も”っていうなでござる。ええい!、撤退!。

ドロン!!

大きな煙幕が現れた後、ガクポ達はいなくなってしまった。

マスタールカ:ふぅ。今日もミッション・・・って、今、本当は“バイト”中だったわよね!?。
ガンマンエル:今日の扱い、どうなるんだろ・・・・。

そこへ誘導を会場の関係者に任せてミキが戻ってきた。

ミキ:皆さん、残念ながら今日のステージは全部キャンセル扱いになってしまいました。もう帰っていいそうなので、基地に帰りましょう。

ハニィリリィ:ああああ、なんかもの凄く嫌な予感がする・・・。

こうして、Lパワードの面々は、駐車場に停めてあった専用マシンに乗り込み、基地に帰っていった。

***

(Lパワード基地)

メイコ:えーーーーーーー、今回はツイてなかったようね。苦情は来てないけど、ステージ全部がキャンセルになっちゃったから、今日のバイト代、払えないって・・・・。
ミキ:駐車料金は払っておきました。
ハニィリリィ:やっぱり・・・・・。
マスタールカ:ちょ!、だって!、ステージで怪人を倒して、安全を守ったでしょ!。
メイコ:私たちの行動は、営利目的ではないの。だから、安全確保しても、謝礼はもらえないのよ。
マスタールカ:ううう、わかっていたものの、現実は厳しいなぁ~・・・。
ガンマンエル:ちぇ!、せっかく楽しみにしてたヒーローショーだったのに・・・。
ハニィリリィ:タダ働きか・・・。
ヒーリングミク:あいつら、もう許さないミク!。
アイスカイト:やっぱり、自前のマフラースーツでなかったからいけなかったんだ!。

他、6人:違うって。

メイコ:ということで、お疲れの所悪いけど、今日の手当分、喫茶店の方で稼いで下さいな。臨時営業でいいから。
マスタールカ:あああああ。せっかくの日曜日が・・・・。

こうして、5人は更衣室で着替えて、喫茶店の方へ向かったのだった。

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい
  • 作者の氏名を表示して下さい

特務戦隊 Lパワード! 第2話 指令:ヒーローショー会場のちびっ子たちを守れ!

☆オリジナル作品第12弾である、「特務戦隊 Lパワード!」の第2話です。

☆今回はヒーローショーのバイトです。戦隊も大変です。

☆少しずつ、エルの事がわかってきた感じですね。

******

hata_hata様が、第1作目のきのこ研究所のイメージイラストを描いて下さいました!。まことに有り難う御座います!。
『「却下します!」』:http://piapro.jp/content/oqe6g94mutfez8ct

☆hata_hata様が、第2作目のきのこ商店街のイメージイラストを描いて下さいました!。本当に有り難う御座います!。
『causality』:http://piapro.jp/content/c0ylmw2ir06mbhc5

☆nonta様も、同じく商店街のイメージイラストを描いて下さいました!。本当に有り難う御座います!。
『ようこそ!、きのこ駅前商店街へ!』:http://piapro.jp/content/dmwg3okh7vq1j8i1

☆あず×ゆず様が、第8作目の部室棟の死神案内娘“テト”を描いて下さいました!。本当に有り難うございます!。
『おいでませ!木之子大学・部室棟へ♪』:http://piapro.jp/content/rsmdr1c3rflgw7hf

閲覧数:411

投稿日:2010/08/18 18:28:02

文字数:3,590文字

カテゴリ:小説

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  • nai☆

    nai☆

    ご意見・ご感想

    ヒーローがヒーローショーに、…ってwww 劇中劇みたいな面白さがあるよねw
    nai☆が子供の頃って、ヒーローショーとかって、だいたいデパートの屋上などでやってましたが。
    あぁ…、デパートの屋上って、小さい頃はとてつもないワンダーランドだったよなぁ…。(゜.゜)遠い目

    そして、闘いが終わり喫茶店タイム~。なんだかサラリーマンの悲哀のようなモノを感じます…。皆さん乙。

    >(↓)ggrks
    最近アルツ気味のnai☆は迷わず降参です\(^o^)/…orz

    >方向転換必須かも…(第1話のレス)
    しらんけど、かんがえすぎだとおもいます。

    2010/08/21 23:52:41

    • enarin

      enarin

      nai☆様、こんにちは!

      > ヒーローがヒーローショーに、…ってwww 劇中劇みたいな面白さがあるよねw

      本物がショーでバイトってのが、面白みですよね。しかも怪人まで本物出て来ちゃうし…。

      > nai☆が子供の頃って、ヒーローショーとかって、だいたいデパートの屋上などでやってましたが。

      あれはどの時代でも、子供にとってのパラダイスショーだった気がします。なんというかドキドキワクワクがあって。

      > あぁ…、デパートの屋上って、小さい頃はとてつもないワンダーランドだったよなぁ…。(゜.゜)遠い目

      私の場合、TVゲームが流行っていた頃が記憶にあるので、10円くらいで遊べるレトロゲームにはまってました。ショーは近くのデパートではやってなかったんですよね。

      > そして、闘いが終わり喫茶店タイム?。なんだかサラリーマンの悲哀のようなモノを感じます…。皆さん乙

      これはちょっと可哀想かと思ったのですが、怪人の変装達との接点がここだけなので、ここにしました。

      > しらんけど、かんがえすぎだとおもいます

      考え直したら、煮詰まっていた時だったのか、考えすぎでした。結局、通常運行で第2,3話を書いてました。

      このたびのご閲読、コメント、有り難うございます!

      2010/08/22 11:28:07

  • nonta

    nonta

    ご意見・ご感想

    休日返上してまでのバイトのヒーローショーが現実の戦闘となってしまった為に収入が無くなる、というのも納得いかないものあるでしょうね^^;
    集まっていたちびっ子たちにとっては本物が見れて、案外ラッキーに思っているかもw
    あとは、この後どこでルカさんが学歩をフォークで突き刺すのかが楽しみです・・・(ggrksって、流石にソレは無いですかw

    ↓ところで佑心さんってどこかで見たことあるお方だと思ったら、同じコラボのハニ☆ラボの方でした(←記憶力弱いヤツ・・・

    2010/08/19 22:13:52

    • enarin

      enarin

      nonta様、こんにちは!

      > 納得いかないものあるでしょうね^^;

      何というか、イベント主催者も厳しいというか、せめてちょっと小銭を包む位…、とはいえ、確かにイベントは中止されましたから、仕方ないというか…。

      > ラッキーに思っているかもw

      本物の戦闘ですからね。でも戦う前にミキさんに誘導されて会場にはいなかったので、残念だったかも。

      > あとは、この後どこでルカさんが学歩をフォークで突き刺すのかが楽しみです・・・(ggrksって、流石にソレは無いですかw

      いやー、あの喫茶店での”会話”は、事情を知っている読者には、もう、”お互いいい加減気づけよ!”って思っちゃいますよね。あげくに、学歩のセクハラ…、そしてルカさん、本気にしちゃうし…。敵味方同士のトップが、変装した時にこんな関係になるとは…。

      > ↓ところで佑心さんってどこかで見たことあるお方だと思ったら、同じコラボのハニ☆ラボの方でした(←記憶力弱いヤツ・・・

      凄い!。なんと、作品を通じて、こういうリンクが出来るのって、嬉しいですよね!!。私も嬉しいです!。

      このたびのご閲読、コメント、有り難うございます!

      2010/08/20 13:51:20

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