寂れた この街の
寂れた この山に
寂れた 古城が
今も静かに聳え立っているの

誰が建てたのか
それすらも分からず
いつ建ったのか
それさえも分からず
城の住人(スミビト)は
小さな白い少女
召使なんていなくて
家族もいなくて
テーブルさえ 埃を被り
蜘蛛達が 網を張る
けれど少女はそこにいた
他に逃げ場などいくらでもあって
だけど少女はそこにいる
孤独を愛していたの?

愛してくれる人が居ないのならば
愛してくれる人を探しに行こう?
けれど少女は城から出ない
愛なんて所詮 偽善だと
愛された事の無い少女は言った
この城が 私の居場所なの と

少女の指が白いレースを手繰り寄せ
小さなテーブルクロスを織った
小さなテーブルクロスを使う
小さな少女はまだ生きた
けれど少女はやはり子供
孤独になんて耐えられなくて
少女の指がクロスを解き
少女の首に巻き付けた


死にたいのならば死になさい
けれどもこれは覚えておけ
死を迎えても貴女は孤独
闇に蝕まれ真の終わりを迎える
そうなったらもう貴女は誰からも歓迎されず
死体が朽ちても見つからず
貴女は愛を探し彷徨うだろう

呪いの声はそう言った
少女の息は既に絶え
綺麗なレースは薄汚れ
古城はひとりぼっちでそのまま聳え立つ

百年経とうと千年経とうと
少女の亡骸は見つからず
大きな古城も見つからず
それらは深い闇へと堕ちた

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
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忘れられた古城

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投稿日:2011/03/17 14:16:52

文字数:594文字

カテゴリ:歌詞

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