春の夕景を忘れたいと願うのは惰性さ
まるで十代の世迷言だ 昨日なんかなかった
見え隠れする夜を捻じ曲げて 増えていく疵を隠す
夢なら醒めないでいて 熱なら冷めないでいて
じわりと滲む吐息を殺した
言葉巧みな日々は おとぎ話のような
君の些細な嘘だった
街の風景を覚えたくないのは厭世だろうか
僅かに首をかしげた君の髪が夜に溶けた
埋まらない隙間を塗り潰して 行き場をなくした時間を壊す
触れたらほどけていって 戻らなくなると知って
弧を描いた指先を隠した
どこまで行けばいいかって 途方に暮れた三月
遅れた影に気付かずに
僕のブレと君のズレを正す 透明な魔法なんてない
夢なら醒めないでいて 熱なら冷めないでいて
じわりと滲む吐息を殺した
街明かりが照らした 君のそのさよならを
忘れられなくてもいい
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