※ちゅうい!
この作品はダブルアホ兄妹をひたすら斜め上に目指して出来上がったものです。ついでにいうとこのお話においてグミの好きなものはニンジンです。
またアプリでもなく筐体でもないひたすら大事な部分をぼかした設定となっております。兄妹設定やその他諸々が苦手な方はブラウザバックを推奨します。おk、むしろバッチコイという方はそのまま進んでくださいませ。


【11/23にちなんで】良い兄さんの日【ダブルアホ兄妹】


 11/23、『良い兄さんの日』。それは「兄」が弟妹たちに全力を尽くして奉仕する日。または善き兄として周りの人に親切を心がける日。

「ですって、ミクさん!」

「それほんと!?グミちゃん!」

 連休最終日、いわゆる勤労感謝の日である今日マスターはちょっと実家までひとっ走り行ってくると言って、この家には私とお兄ちゃんでお留守番をすることになった。暖房の効いた心地よいリビングでテーブルの上に雑誌を広げながらうとうとしていると、脳天貫くようにしてその朗報はやってきた。

「ということは・・・」

「ということは・・・!」

 私の手元にあった雑誌をグミちゃんは華麗に取り上げると、ある一点を指し示す。それは今イチオシの新作スウィーツについての特集である。

「『グリーンオニオンシフォンケーキ』!」
「『スペシャルキャロットタルト』!」

「ついにご賞味できる日がきたのねー!」
「ついにご賞味できる日がきたのねー!」

 この『グリーンオニオンシフォンケーキ』と『スペシャルキャロットタルト』とは、この街でわりと美味しいと評判のスィーツ専門店『 coloviad (コロヴィアード)』の新作スィーツである。ちなみに店名はオーナーが適当にアルファベットを並べたものだとか。―ミクの読んでた雑誌より抜粋―

「私これが出てからもう食べたくて食べたくてしょうがなかったの!」

「わたしだってこのオレンジ色の輝きが頭から離れなくて・・・!」

 二人でキャーッ、と歓声を上げているとその声が二階にも響いたのか(マスターのお家は二階建てなのだ)お兄ちゃんが階段をドタドタと駆け降りてきた。

「ミクっ!?なんだ今の悲鳴は!!」

「お兄ちゃん!」

「あ、カイトさんお邪魔しています。」

「あれ、グミちゃん?(良かった、強盗じゃなくて)なんでここにいるの?」

「そういえば・・・どうやって家に入ってきたの?」

「うちのマスターのパソコンから自分をメールに送付してきました!」

「え?」
「え?」

 まさかウイルスじゃあるまいし。いやでも巷では『バグミ』とか呼ばれているようだし、あながち間違いじゃないのかも・・・?

「ミクさん今なにか変なこと考えてませんでした?」

「え!?そっそんなことないよぉ!」

 グミちゃんは何を思ったか私をじと、と見つめたままおもむろにゴーグルを装着した。やめて、目が見えないぶんよけいに怖いっ。

「こら、何やってるんだグミ」

 頭上のほうからお兄ちゃんのじゃない心地よいテノールの声が聞こえたかと思うと、グミちゃんのゴーグルがぱっと外された。

「兄さん!」
「がくぽさん!」
「がっくん!」

 見上げると、紫色の髪を低いとこでひとつに結った、白いTシャツに革ジャン、それにジーンズを穿いたがくぽさんが困ったような顔をしてそこに居た。

「すみません、うちのグミが勝手にお邪魔したようで」

「それはいいけどがっくん、服どうしたの?」

「ああ、これ?これはグミを追っかけるときにマスターが『出かけるならこれ着てってー!』っていうから着替えてきたんだけど・・・」

「あ、なんか羨ましいぞ。ちなみにどうやってうちに?」

「パソコンから、メールで」

 ・・・マスター、うちもそろそろノートン先生をインスコしたほうがいいのかもしれません。私(とおそらくお兄ちゃんも)がそう思ってがっくりとうな垂れたそのとき、がくぽさんに説教されてたグミちゃんがだってぇ、と口を開いた。

「今日は良い兄さんの日なんですよ!いいじゃないですか、わがままの三つや四つ!」

「そうよ!今日はお兄ちゃんたちにお願いしたいことがあったのよ!」

「いや、わがままの数多くない・・・?ていうか良い兄さんの日って?がっくん知ってる?」

「うん、グミによるとな・・・」

 ―――説明中―――

「な、なるほど、勤労感謝の日にはそんな裏イベントがあったのか・・・!」

「それでグミとミクさんは何をして欲しいんだい?」

「それはね・・・これっ!」

 グミちゃんが雑誌の特集をがくぽさんとお兄ちゃんに見えるように指差す。そう、私やグミちゃんはそれぞれのマスターから未成年として扱われていて(ボーカロイドに未成年も何もないと思うんだけど)私たちのお給料はマスターの手によって管理されている。そこから少しずつお小遣いをもらっているのだけれど、先月二人でおそろいのゲーム機ESi(ライトグリーン)を買ってしまったがために懐が冷えきってしまっていたのだ。そこで私たちよりかはお小遣いをたくさんもらっているお兄ちゃんたちにお財布係をお願いしたというわけ。

「ニンジンはわかるけど、ネギをケーキに・・・?それ美味しいのか?ミク」

「失礼な!万能ネギって言葉を知らないの?お兄ちゃん」

「とにかくいきましょ!早くしないと日がくれちゃいます」

「・・・ひとついいかな、グミ、ミクちゃん」

「なんですか?」
「なに?」

「僕たち、先月二人でNii、買っちゃったんだよね」
「僕たち、先月二人でNii、買っちゃったんだよね」

 お兄ちゃんとがくぽさんはお互いに顔を見合わせると、財布をそれぞれ私たちに差し出した。そこにあったのは10円玉が4枚と、1円玉が3枚。

「・・・はぁっ!?」
「・・・はぁっ!?」

 かくして、私たちの「良い兄さんの日」は終わりを告げたのであった。

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい
  • 作者の氏名を表示して下さい

【11/23にちなんで】良い兄さんの日【ダブルアホ兄妹】

初めてのギャグに挑戦。果たしてギャグになっているのか不安なところです。

某所で「良い兄さんの日」という素敵ワードを拾ってきてからさんざんうんうん唸ってできたのがこれだよ。なんという低クオリティ/(^o^)\
ダブルアホ兄妹(勝手にジャンル作りました)ということで皆さん微妙にずれた性格になってもらいました。ボケしかいないのも相当辛かったです。だれか突っ込んで!いや突っ込んじゃダメ!
あと今回の裏テーマは「脱がっくんござる口調」
結果キャラがわかりづらくなっただけのように思いますが・・・ご愛嬌、ということで(苦笑)

あら?どうやら続きがあるようです。

閲覧数:534

投稿日:2009/11/24 01:31:40

文字数:2,455文字

カテゴリ:小説

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