闇夜を裂いた 北風の鼓動
広野にひとつ こぼれ落ちる星
足の寄る辺も 暖かな憩いも
それらはすべて 遠い日の彼方

降り積む雪が辿る道を隠しても
この胸に宿る炎を頼みに

優しく名を呼ぶ声はちぎれて
散らした羽根が 舞い翔ぶ吹雪
行き着く場所を忘れ果てても
旅人はなぜ 己と闘うの


革の雪靴 擦り減り破れ
銀の刃は 何を貫く
かじかむ手指を 温めようとも
吐息が凍る 真冬の夜半(よわ)ぞ

凍てつく霜は少年の目を研ぎ澄ます
氷魔の牙がその肌を裂いても

さいはてに立ち 見上げる極夜
オーロラの赤が 誘う明日
闇が命を 迷わす夜を
矢来を導(しるべ)に 鳥たちは行く

月も見えない 虚空の旅も
消えない灯(ともしび) ひとつあるなら
夜にはぐれても いつかは還る
あの日の歌が ここにある限り

ライセンス

  • 非営利目的に限ります

孤独な人

――――矜持あるひとり。

過去作「ミスター・シングルトラベラー」の改変版と言ったところです。とにかく寒々しい。それでも何か一つ大切なものがあるなら、孤独も怖くないという詩です。

閲覧数:81

投稿日:2013/07/28 22:18:28

文字数:350文字

カテゴリ:歌詞

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