私のことを、覚えてますか

覚えてますか　あの時の気持ちを
覚えてますか　私のことを

毎日が必死で　毎日が必死で
振り返ることもできずに
前だけ見つめて

毎日が不安で　毎日が不安で
人と比べてばかりで
すべて忘れてしまったかのようで

どうして選ばれなかったかな

覚えてますか　過ごした日々を
覚えてますか　あの公園を
覚えてますか　あの時の気持ちを
覚えてますか　私のことを

あなたに笑われないように
あなたを泣かせないように
あなたを困らせないように
あなたを悲しませぬように
あなたに誇れるように
あなたを壊さないように
私は脇目も振らずに
あなたの姿さえ見えずに

毎日が空虚で　毎日が空虚で
顧みることもできずに
前だけ眺めて

別れた日から　一人で考え
何もうまくいかずに
あなたの幻影だけ追い続けていた

どうしてあなたが泣いてたの

笑えてますか　あなたのように
笑えてますか　気取られぬよう
笑えてますか　からっぽの私が
あたかもすべて満たされてるよう

あなたに笑われないように
あなたを泣かせないように
あなたに嫌われないように
あなたを守り抜けるように
あなたに誇れるように
心配かけないように
「私は大丈夫だよ」と
伝える必要もないほど

向かいのホームで、あなたを見つけた
私が見ていると、あなたも気づいた

私が笑うと、あなたはなぜだか
涙をこぼして、電車と共に消えた

覚えてますか　過ごした日々を
覚えてますか　あの公園を
覚えてますか　あの時の気持ちを
覚えてますか　私のことを

私が電車に乗ろうと
一歩を踏み出したとき
あなたが階段を降りて
こちらに走ってきた

あなたを泣かせないように
あなたを壊さないように
私は涙をこらえて
あなたを優しく抱きとめた

「覚えてますか、私のことを」