第四十六話 大事なもの

 私とお依亜さんのことを、気づくものは誰一人としていなかった。

 そして、祝言をあげ、忙しく本格的に我久屋で働きだした。
奉公人のるか。その存在を知っている者はこの世界に一人としていない。

 
 魔界の掟を破ってまで、こちらを選んだ。


 両親、種族、親友、たくさんの者を裏切って、それでもあなたを選んだ。

 今ならこの気持が何なのか、わかる。


 出会って、あなたを知って行って、その先にぽっかり空いた深い深い穴。
それに、知らず知らずのうちに落ちていた。
ただそれだけだ。


 今は、この世界を大事にしたい。
あなたを大切にしたい。



 そして。



 今はこの世にいない、あの優しい人があなたと残した、この命を。








 私が、守らないといけない。











 ――おりん、ごめんなさいね。私、あなたに嘘を吐いていたの。












 あなたは、私の子じゃない。

















 お依亜さんの最後の――大切な命だから。














 

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ノンブラッディ

おりんちゃんは、人間だったのです。

閲覧数:86

投稿日:2013/03/23 10:16:36

文字数:477文字

カテゴリ:小説

  • コメント2

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  • しるる

    しるる

    ご意見・ご感想

    リンちゃんの出生の秘密まで!

    はっ!?
    イアちゃんが異形のものに気づく能力があったってことは……リンちゃんにも何か能力が!?

    2013/03/23 23:10:16

    • イズミ草

      イズミ草

      え!?
      な、なんか……しれっとハードルをすっごいあげられたような気がしてならんのですが……www

      2013/03/24 08:25:22

  • ハル

    ハル

    ご意見・ご感想

    ・・・・おイアたん・・
    おりんちゃん「僕、人間になりたい!」
    「人間っていいな~♪」
    なれたよ・・・でも、おりんちゃんそのようなこと言ってないよね

    2013/03/23 19:54:23

    • イズミ草

      イズミ草

      我ながら切ない展開だと思いますww

      ですねww
      おりんちゃんは……うーん……
      何て言うだろう……

      2013/03/23 22:06:12

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