「うわ…魔物がぞろぞろ居るんだけど…」
僕は、とりあえずユウカを迎えに来たんだけど…。
流石に日が落ちている為に、魔物が沢山居た。
「大丈夫か…?」
一人で来るのに少し勇気のいる道だった。
勿論ちゃんと魔物と戦った。
「はあぁっ!」
大剣を振り回し、魔物を薙ぎ倒す。剣は父さんにちゃんと僕の体に合った重さのを貰ったのでさっきのように倒れるなんて事は無い。
「ユウカは、裏山の頂上に居るのか?」
空を見るなら、確かに頂上が良い。でも、ユウカもこの時間は危険な事くらい分かって居るはず。この場所は村の管理が行き届いてるとはいえ、誰も夜は近付こうとしない。近付けば子供は必ずモンスターに襲われる。
最近、ユウカは此処に来る事が多くなっていた気もする。何かに呼ばれてるような、其処に何かあるような感じで、毎日のようにユウカは家を出ていたような気もする。
「一体、最近何があったんだ…?」
そして、頂上にはユウカが居た。
呆然と、空を見上げて居るような感じだったが、僕を見つけたのか、こちらを見ていた。
「ユウカ…」
「…リアン…」
「帰るよ」
「…ダメ。もう少しだから…」
「もう少し?」
ユウカは何がもう少しなのだろうか?もう夜は遅いし、帰らなければこの頂上にまで魔物が来るかもしれないというのに…。
「私達の…仲間が…ここに、落ちてくる…」
ユウカが呟くように言った。
元々、僕と居るとユウカは全く喋らなかったけど、これは少しおかしい気もする。
というより、仲間が落ちて…?
「仲間って、僕達と同じ種族って事…?」
「…」
僕の言葉にユウカは頷いた。
「あそこ」
ユウカは、静かに空の方を指差した。其処には、大きな飛行船の様な物が見えた。
その色は白く、光っていて、この暗い夜空ではとても目立つ。
「あの船が…どうしたんだよ」
「あの船、扉が開いていて、人が二人落ちてくるの…。もうすぐ。あの子達が、私達を呼んでるの…」
今のユウカは、何かが変だった。今まで十数年間一緒に居たけど、こんなユウカは初めて見る。
僕は、ユウカの言う通りなのか、その飛行船をじっくりとみた。
本当に、二人の子供が、大人に追い詰められるように立っていた。扉は開いていた。
其処から今にも落ちそうな子供達は、何をして居るのだろうか?一歩間違えたら死にそうなその状況。
どういう事だ?
「呼んでるって…」
僕が何かを言おうとしたその時、花畑の花が大きく舞った。
風が突然吹き荒れたのだ。
「…!?」
「…」
そして、船の方に目を戻すと…。
「ま、まさか…」
僕は絶句した。だって、その二人が…。
こっち目掛けてその船から飛び降りたのだから。
「そ、そんなぁっ!?」
「…」
僕が意識を失う前に聞いたのは「危ない!」という少女の声と「ララ!」と誰かを呼ぶ少年の声で、意識を失う前に見たのは、黒髪の二人の子供の姿だった。
続く
ボカロ亜種RPG第二話「裏山での出来事」
はい、という事でユウカちゃん&ララルル登場です!
でもユウカちゃんは何か様子が変ですが、次回からは普通にユウカちゃんです。
きなつさんすみません…orzまあ、本当に次回からユウカちゃんは普通ですっ!今回はちょっとした伏線を張るつもりでユウカちゃんの様子が…という感じです。
空から降ってきた人って言うのはララルルでしたね!
っていうか前回のタグwまあ棒天空の城でもヒロイン落ちてきましたもんねw
次回は普通に旅の始まりとかララ達との自己紹介みたいな感じです。
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