町はずれ。
 そこに一軒の建物が一つ立っている。
 建物内や辺りは人々の話声でザワザワしていた。
 だが誰も町人のような姿はしていなかった。
 あるものは鎧を着、あるものは弓を持ち、あるものは剣を腰に差している。
 一人の緑髪の青年がその建物に入っていった。
「マスター、オレにビールを一杯」
「やあ、いらっしゃい」
 青年の言葉にそう答えながら、マスターはビールを注いでいく。
「あいよ」
 もしかしたら、このマスターだけが普通の私服なのかもしれない。
「仕事の共同者をお探しか?」
「まあ、そんなところかな」
 そう言って、青年はビールを一口飲む。
「職は?」
「トレジャーハンターだ」
 そう答えると青年はまたビールを一口飲む。
 この世界にはたくさんの怪獣、いわばモンスターが生存している。
 そして、人の住まないモンスターの巣窟のような場所もある。
 多数のモンスターがいることによって生まれたのが、ハンターという仕事だ。
 そう言ったモンスターの巣窟などに行って、モンスターの相手をするのが彼らの仕事だ。
 そして、ハンターには仕事内容によって何種類かの区分が存在する。
 その一つがトレジャーハンター。
 トレジャーハンターはモンスターの巣窟に行って他のところではなかなか手に入らない秘宝や特殊な材料をとってくるのを生業とする。
「ランクは?」
 マスターの言葉に青年はバッジを見せる。
「Dか」
 ハンター協会の試験を受けてもらえるバッジはそれぞれのランクの証である。
 ランクはいわばハンターの実力の証明書である。
 必ずしも必要なものではないが、バッジは一番分かりやすい実力の証明方法であり、依頼者もそれを判断基準にすることが多い。
 そのため、ランク試験を受けていない者もいるが、多くのハンターはランクを持っている。
 ランクはFからSまで存在し、上のランクにいけばいくほど当然そのバッジを持っている人も少なくなっていく。
 だが、Fランクをとるのでさえもそれなりに大変なので、高くないように見えるが、Dランクでも侮れはしない。
「誰かから依頼でも受けているのか?」
「いや、とりあえず北のマンダール山脈の噂の件をあたってみようと思って」
「ああ」
 そう言ってマスターは頷く。
「最近噂のツボラ宝石か」
「そう」
 そう言って青年はまたビールを一口。
「非常に高価でレアというツボラ宝石がマンダールで見つかったらしいな。だが、噂によれば相当強力なモンスターが守っているらしいが。」
「らしいね」
 マスターの言葉に青年は頷く。
「見たところ、お前はウェポンランナーだが、まともにモンスターとやり合う気か?」
 青年の重装備を見て、マスターが訪ねた。
 ハンターにはそれぞれ自分の装備というものがある。
 弓を使う者、剣を使う者。
 鎧を装備する者、軽装の者。
 それらにも呼び名がついている。
 ウェポンランナー。
 これは重装備タイプの総称である。
 大剣、槍、短剣、弓、銃など多数の武器を装備し、それらを利用して遠近問わず、オールマイティーに戦えるのが特徴である。
 反面、重装のために機動力が下がり、またそれらの武器を揃えるのには費用がかかる。
「だから、共同者がほしいんだよ。できればファントム系。とりあえず、その相当強いというモンスターは惑わしてやり過ごし、後はオレがなんとか倒す」
「なら、私がその役を引き受けましょうか?」
 突然の声に少し驚いて青年が振り返ると、そこにはピンクを基調した服を着、赤い髪を後ろで束ね、杖を片手に持った女性が立っていた。
 その女性は人々の注目を集めていた。
 なぜならば、瞳が普通の人とは違っていたからだ。
 黒い右目と赤い左目のオッドアイだった。
 それだけではない。
 右腕には何とも言えない見慣れない装備がされていて、耳にも見慣れない飾りがつけられていた。
「オマエは……」
 振り返ったその青年もつい、目を見開いてしまった。
「いやあ、これは珍しいハンターさんだ。竜人族か~」
 マスターが感嘆に似た声を上げる。
 人間に似て異なる種族。
 他にもエルフなど色々な種族が人間と同じようにハンターをやっている。
「引き受けるというと、お嬢さんはファントムソーサリーかね?」
「はい」
 マスターに向きなおって、その女性は頷く。
 ファントムソーサリー。
 惑わしが得意のファントム系の一種で魔法により、敵に幻術などを掛けるタイプだ。
 そのため、攻撃力はあまりない。
「職はバトルヘルパーです」
 女性は続けて自分の職を紹介した。
 これもハンターの一種である。
 もともと攻撃力がなく、補助的な魔法などを使い、補助の役をするのがヘルパー。
 その中でも戦闘の補助をするのがバトルヘルパーである。
「ランクは?」
「Cよ」
 そう言って、女性はバッジを取り出す。
「なるほど。頼める?」
「はい」
 二人は向き合う。
「オレの名前はラン」
 そう言うと、ランは手を差し出た。
「私はディアナ」
 ディアナはランの手を握り返す。
「よろしく」
「はい、こちらこそ」
 

 先ほどのハンターキャンプを離れ、街中の酒場で二人は話し合いを始めた。
「さて、どうするかな」
「何をですか?」
 ランの言葉にディアナが疑問を投げかける。
 ぐびりと酒を一口飲み、ランが答える。
「細かい戦い方の話。ディアナは何ができるんだ?」
「私は炎魔法による攻撃と催眠等の幻術ですね。それと左腕は竜の手なので、ある程度接近戦もできます」
 その返事にランは少し驚いた。
「そうなるとかなり攻撃力もあるのか!」
「そういうことになりますね。実際に一人でトレジャーをハントしたこともあります」
 ディアナも酒を口にする。
「オレは拳銃による中距離と幅広剣や短剣による近距離で戦える」
 ランは装備を全部机の上に出した。
 幅広剣が一本。
 短剣が二本。
 拳銃が二丁。
 弾薬。
「軽装ですね」
 ディアナは意外そうな顔をして言った。
「そうだね。その分、カバーできる範囲も減るけど。やっぱりオレが前衛のほうがいいよね?」
「それでお願いします。できれば魔法に専念したいので」
「なら、そうしよう。出発は明日で大丈夫?」
 ランの質問にディアナは頷く。
「分かった。じゃあ、明日の朝にさっきのハンターキャンプで集まろう。寝袋、食糧等は自分でね」
「分かりました。では明日の準備があるのでこれで」
 そう言ってディアナは先に去って行った。
(さて、オレも明日の準備をするかな)
 そう言ってランは町の市場に向かうのだった。

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • 作者の氏名を表示して下さい

ハンターズ  ラン&ディアナ1  -コラボ【コカろん and ヘルフィヨトル】-

こんにちは
ヘルフィヨトルです
これはコラボで投稿したものです。
こっちでもアップしました^^


今回はトレジャーハンターが主人公のモンスターファンタジーです。
書いてて思ったことが「モンスター○ンターに似てない?」です><
意識してません!

とりあえずこれが1です
続きます。
多分もうひとつ、もしかしたらふたつですね。
明日にでも描ければと思います。
予告として次には有名なボーカロイドが一人ハンターとして出ます。

世界観設定が好きなので、これからもいろいろと書いていこうと思います。
なので、随時有名なボーカロイドを出せたらなと思います。

閲覧数:100

投稿日:2009/09/26 00:22:55

文字数:2,737文字

カテゴリ:小説

  • コメント3

  • 関連動画0

  • ヘルケロ

    ヘルケロ

    ご意見・ご感想

    ミプレルさん、はじめまして^^

    読んでいただきありがとうございます!
    ご挨拶のメッセージなんてとんでもないです


    ファンタジー、私も大好きです
    実はすごくにモンスターハンターをやってみたいという私です
    でも、PSPがないです^^;

    続きは投稿しますし、私も設定が好きなので個人でも書いていこうと思っています
    ぜひぜひ楽しみにしていてくださいww

    ユーザーブックマーク、うれしい限りです^^

    2009/10/02 16:40:55

  • ミプレル

    ミプレル

    ご意見・ご感想

    はじめまして、こんにちは。
    ミプレルと申します^^
    9月の終わり頃から「小説家同士の技術レベル向上のためのコラボ」に参加させて頂き、そこからとんで参りました!
    きちんとご挨拶のメッセージも送らずすみませんっ;;

    もともとファンタジーは好きで、とても楽しく読ませて頂きました。設定や世界観が凄く魅力的で…♪
    コラボ用、ということですが、続きも個人でも投稿なさるのでしょうか?有名ボーカロイドも出るということで、とても楽しみです^^

    それでは長々とすみませんでした。
    小説家同士の技術レベル向上のためのコラボ、のほうでもよろしくお願いいたします。ユーザーブックマークをさせて頂いてもよろしいでしょうか…?

    2009/10/02 11:46:11

  • ヘルケロ

    ヘルケロ

    ご意見・ご感想

    おほめいただきありがとうございます

    でもなぜかランがぜんぜん怖がりじゃないという><
    そしてもはや男性wwwww

    次は有名のポーカロイドをかっこいいハンターとして登場させたいと思ってます。

    2009/09/26 14:45:53

クリップボードにコピーしました