「まあ、これで頭拭いて!」


ミクは家に連れ込むなり
タオルを2枚私の頭の上にかける。

そして目の前のテーブルに
湯気をたてているホットココアを出した。


「何があったのかは聞かないけどさー。
 男がらみとかだったら
 相談とかしてよね?

 幼馴染なんだからさ。」


ミクはそう言うと
私の頭を2度撫でてくれた。

相談しても良いのだろうか。
私が口を開こうとした途端だった。


「あのね私、実は「あー、そういえば!ルカに言い忘れたことあったかも!」


私の小さな声は
途中からのミクの声にかき消される。

ミクは私に笑顔を向け言う。


「ウチ、好きな人出来たかもだから、
 教えてあげるっ!」


ホットココアに
波紋が浮かんだ。

私はマグカップの取っ手の部分を
ぎゅっと強く握り締めた。




「ウチ、カイトのこと好きかもなんだよねー!
 いつからかは分からないんだけどさ!

 で、今度告白するんだ!」




少し顔を赤らめ、
でも少し嬉しそうに。

私は思わず口をかみ締めた。
下を向かないようにする為でもあった。


「うん、良いんじゃないかな。
 応援するよ、ミク!」
「ありがとーっ!
 ルカに相談してよかったよー!」


ミクは私に抱きついた。
私もミクを抱きしめ返す。

純粋に恋している子だ。
私はそれに応えなくちゃいけない。


だって
もう終わったことだから。


「あ、それでルカなんか言いかけてなかったっけ?」
「え?気のせいだよー!」


私は精一杯の笑顔で答えた。
バレてないだろうか。

それからカイトの話をたくさん聞いた。


「カイトかっこいいよねー」
知ってる。

「カイトっていつからウチの身長抜かしたんだろー?」
知らない、知らない。

「カイトって変声期来てからかっこよくなったよねー!」
知ってるよ。





「カイ「私、もう帰るね」


途中で話を割り切るように私は言った。
ミクも「喋りすぎたーごめん!」と私に一言言った。
私は「大丈夫だよ」と言いミクの頭を撫でた。


不審に思われなかっただろうか。




「じゃ、お邪魔しました!」
「はいはいー。」




私はミクの家を出る。
するとミクは後ろのほうで言った。




「ルカも好きな人出来たら言ってね!
 そんでもってウチの恋応援してよねー!」




言えるわけない。
出来るわけ無い。

言葉がたくさん溢れてくる。
とまらない、とまらない。




でもそれを食い止めるように




「当たり前!約束!」




私は大声で言った。










第3話へ続く…

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

ACUTE 第2話 ※自己解釈・二次創作

ボルテージ上がりすぎてとまらなくなった結果がこれだよ。

閲覧数:1,932

投稿日:2011/02/08 23:48:47

文字数:1,111文字

カテゴリ:小説

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