[陽炎]

時に青く時に激しく
その身をうねらせて
海原はただ世界を浮かべた

陽を浴びて雲は高く
閃いてくるり輪を描く鳥は 水の餌を啄んだ
光線が胸を穿つ
熱を帯び青く輝く空へ 逃げる空気を吸い込んだ

長い旅にはなるまい
なんて強がりで笑っても
眺めるほどに果てなきこの世界
彷徨うままのRow and Row!

滲み霞む水の端 陽炎が手招いた
水底へと闇が泳いだ
もういいかい、と 背を突く 鳥の声で目を覚まし
疲れた腕をまた持ち上げる

帆風が身を切る夜は
気まぐれに糸を揺らし揺蕩う 船乗りのリズムで
水面を掠めた影を
足が追い悴む手が留める 冷たい星が瞬いた

何も無い朝 白夜の霧
あなたを描く雨
黒雲の先 幽か輝く夜へ
進み続けろRow and Row!

まるい魚 しかくい群れ 渇きに喘いだ日々を
乾いたノートに遊ばせて
眠りに凪いだ海を 滲んだ月が照らしてた
気休めの灯が今は眩しい

嗤う潮風 語らぬ波 音さえない世界
やがて溶け出す白い地平の果てへ
消えゆくままのRow and Row!

遠く青い夏の果て 陽炎の向こう側
私を呼ぶ声が聞こえた 気がした
変わらず射す夏の陽 気ままに揺れる水の上
炎みたいに揺らめく影を
私は見ていた

時に青く時に静かに
その身を横たえて
海原はただ世界を見ていた

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

[陽炎](歌詞)

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投稿日:2015/03/21 01:34:04

文字数:565文字

カテゴリ:歌詞

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