もう最悪だよぉ!よりによって何であんなタイミングでドア開けちゃうの?何でそこで翡翠さん来るの?神様意地悪過ぎ!もう翡翠さんが違う意味で神!
「うわわっ?!何だ?!」
「こら!君!止まりなさい!」
止まりたくないよぉ!もうほっといてよ!このままどっか飛んでっちゃいたい位なんだから!もう頭沸騰寸前、顔なんて絶対絶対真っ赤で酷い顔、何かもう涙まで出て来るし、何これ私病気?!
「きゃっ…!」
足元が急に無くなった。視界がぐるんって回って身体が宙に放り出される。え?何…?
「リヌ!!」
腕を掴まれそのまま強く引き寄せられた。
「何やってるんですか…貴女と言う人は…。」
「ひ…翡翠さ…!!わわわわわわ!?ごごごごごごめんなさい!!」
「…本当に…おかしな人ですね。貴女は。」
「あぅ…。」
「わざわざ服を返しに着たり、面倒事に首を突っ込んで来たり、私を呼んでくれたり…。」
「だって…。」
だって頭から離れなかったの、翡翠さんの言葉が、顔が、声が、頭にこびりついて忘れられなかったの、化け物なんて言わないで、自分を要らないなんて言わないで、臆病でも良いよ、壊れたって良いよ、ただ信じただけ、だから名前を呼んだの、会いたくて…。
「泣かないで下さいと言ったでしょう…慰め方を知らないと…。」
「…っく…ひくっ…うぇっ…!」
「リヌさん…?」
「も…私…何やってんだろ…最悪です…!迷惑ばっかり掛けて!さ、さっきだって
あんな事聞かれて…!」
「…なら、さっきの言葉は聞かなかった事にしましょうか。」
そう言うと翡翠さんは私を抱き締めていた腕をふっと解いた。聞かなかった事にって…それってつまり迷惑って事…だよね。そうだよね、判ってた事じゃない、私なんか相手にされないって…。
「女性に先に言わせるのは不本意ですから。」
「へ?」
「私は不得手なんですよ、こう言う事は。だけど…貴女に嘘はもう吐きません。」
「翡翠さん…?」
「最初は迷惑だと思いました。何も知らないで近付いて来て、腹が立ちました。
だけど貴女は私を探してくれた。助けて欲しいと私を呼んでくれた。…その…
私はそれが嬉しかったんです、とても…。」
「…は…はい…。」
「だから、さっきの言葉は聞かなかった事にして、私から言わせて下さい。」
じっと見詰められて思わず姿勢を正す。心臓がうるさい位ドキドキしてる。もう止まっちゃうんじゃないかと思う位凄い速さで。
「貴女が好きです。」
「翡翠さん…。」
「私に貴女を…守らせてくれますか?」
「…はい…!」
返事とほぼ同時に飛び付いてしまった。翡翠さんはちょっとうろたえながら、それでもギュッて抱き締めてくれた。
「翡翠さん…翡翠さん!翡翠さん…!」
「いーぞ兄ちゃん!」
「やるねぇ~!若いの!ピューピュー!」
「なっ…!み、見世物じゃありませんよ!!」
「充分見世物だろ…こんな場所で。」
「リヌちゃん良かったね~~。」
すっごく恥ずかしいけど…でもすっごく嬉しかった。何より耳まで真っ赤になってた翡翠さんがちょっと可愛くて嬉しかった。
BeastSyndrome -68.嬉しかったんです-
ああ、もうダメだw
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ご意見・ご感想
遊羅@右肩逝きかけ
ご意見・ご感想
2828どころか2424が(ry
2010/06/22 19:41:30
帝唖
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ひー!こっちが恥ずかしくなるWWW
2010/06/22 16:09:55
安酉鵺
書いてる自分もですw
2010/06/22 16:11:07