きみにおくった千の言葉
中身のない偽物だったとしても
ただずっときみに 笑っていてほしかった

きみがいつかつぶやいた
「みんなうそつきなんでしょう?」
きみの言葉をぼくは───


朝の日差しがぼくの身体をチクチクと刺すようで
世界から疎外されているような気がした
カーテンを閉める それだけのことが 記憶を刺激する

きみの目に映っていたぼくはだれだったんだろう
きみの笑顔も きみの仕草も 今のぼくにはなにも残さない
空っぽになった容器に 味のない水が並々と注がれる
ぼくがこの目にその姿を映すことは もう永遠にない

たとえもう一度会えたとしても
それはきっときみの知らない人
たとえもう一度会えたとしても
それはきっとぼくの知らない人

きみからもらった百の言葉
心からの真実だったとしても
もうこの瞬間にはすべて 意味がないもの


夜の帳がぼくの身体にまとわりついてくるようで
世界から締め出されるような気がした
早足で歩く そのままずっと 振り返らないよう

きみの目に映っていたぼくはどこへ行ったんだろう
ぼくの言葉も ぼくの気持ちも すべて過去に置き去りにされた
容器を満たす液体の その比重は空気と変わらず
ぼくのこころにその姿が映ることは もう永遠にない

たとえもう一度会えたとしても
それはきっときみの知らない人
たとえもう一度会えたとしても
それはきっとぼくの知らない人

素直なかわりに刹那なきみと
留まり続けようと嘘をついたぼく
結局選ばれたのは———

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • 作者の氏名を表示して下さい

偽物の中身は行方知れず

初投稿です。
失恋ポエムです。
自分が誰かすら見失ってしまった哀れな人物の詩です。

閲覧数:76

投稿日:2017/02/05 20:52:18

文字数:643文字

カテゴリ:歌詞

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