私たちは体育館(講堂とも言う)から教室に向かって歩いていた。
「ふあぁ・・・」
「またあくびしてる、ルカったら」
「だって、校長先生のお話長かったんだもん。ふあぁ・・・」
「ふふふ・・・」
「笑わないでよ・・・もう」
「あはは、ごめんごめん。ちょっとね、少しだけね、おもしろいなぁと思って」
「む~、ミクったら」
「ルカ、そんなに顔ふくらまして怒んないでよ~」
「ふ~、まぁいいよ。それより、教室に戻ったら自己紹介だよ~。どうしよう、入学式より緊張するよう」
「入学式よりも緊張するって・・・そりゃまぁそうだけど」
「でしょ?」
(きーんこん、かーんこん、きーんこん、かーんこん・・・・)
「わわわっ。ミク、チャイム鳴っちゃった!!」
「そんなことわかってるよ!早く行こ!!」
全く入学式の日に走ることになるなんて・・・。

「青峰カイト、と言います。好きなものはアイスです。これからよろしくお願いします」
「はい、では次は・・・初音ミクさん」
「はい。えっと、初音ミクです。星座は乙女座です。1年間よろしくお願いします」
「じゃあ次の人、どうぞ」
「はい。鏡音リンと言います。趣味は飼っている犬とのお散歩です」
「はい。じゃあどんどん次の人いっちゃおう!」
私は今ぼ~っとしていた。自己紹介は出席番号が早かったため、もう終わった。
良かった早くって。
(勘違いを起こすかもしれないのでここで少し説明。この学校は、アルファベット順で出席番号がつく)
ちょっと考え事知っていたらいつの間にか、ルカの番だった。
「巡音ルカです。しゅ、趣味はぬいぐるみ集めです。よろしくお願いします」
少しつまったようだけど、大丈夫だった。そんなに心配しなくてもよかったね。
そして、最後の人の自己紹介が終わった。
「じゃあ、最後は先生から!!赤原メイコと言います。ま、入学式の時も紹介されたから知ってるか」
教室中が笑った。結構面白い先生かも。
「はいはーい、みんな落ち着いて~。今日はこれでおしまい。午後からはさっそく部活見学行くもよし、さっさと帰ってもよし。ま、自由だから。一年生は四月末に入部届出せばいいから、気長にね!」
また教室中が笑った。言い方が面白いなぁ、この先生。
「はい、では起立。また明日ね、さようなら」
『さようなら』
一気に教室中がざわめいた。
「ミク!!」
ルカが早くもこっちにやってきた。
「ミク、行くんでしょ?」
「もちろん」
「場所わかるの?」
「さっき配られた紙でもう見たよ」
「早いね。さっそく行こう!」
「うん」

「この廊下を曲がって、階段を通って・・・」
「ね、ミク。この道あってるの?」
「ん~、あってるあってる」
「ほんとに?」
「うん」
「でもさ、ここめっちゃ静かじゃない?」
「今日の入学式は、三年生しか来てないからじゃない?」
「ん~そうなのかな・・・」
「そうだよ!」
と言いつつ、私も不安になってきた。
「ねぇ、ミクぅ・・・」
それにこのルカの不安げな声・・・さらに不安が倍増するじゃない。
「確かここであってるはず・・・」
上を向くと、
『ミステリー研究会』
と書かれた文字が!!!
「あった!あったよルカ!!!」
「ほんとだ。よかったねミク!!」
「うん!」
私はドアに手をかけた。
「開けるよ?」
「うん・・・」
ドアを右から左に滑らせる、とそこは・・・
「ん?あなたたち、誰?」
本を読んでる緑色の髪でショートカットの女の子がいた。
「え、えと、そういうあなたも誰ですか?」
思わず聞いてしまった。明らかに新入部員かもしれない生徒を歓迎する感じじゃなかったからだ。
「私?私の名前は・・・」
少し沈黙があった。
「グミ。緑絵グミ」

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

ミステリー研究会にようこそ!! あなたはだれ? 第2話

あともう一つ書けたら書きたい。
あとルカはどちらかというと天然。

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投稿日:2013/05/06 12:00:48

文字数:1,537文字

カテゴリ:小説

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