スチーム・ビート
流れる窓辺でビクトリアに乾杯だ
紅茶の湯煙が世界を変えてゆく
ごみ溜めに見紛うあの街に手を振りたくて
有り金全部注ぎ込んだんだ

資本主義の豚には
わかりゃしねぇロマンがある
地平の果てに見る夢
路線図に書き足してく

噴き出した絶叫と僕を刻んだスチーム・ビート
激動に揺られても見失いやしない
命を焼べた緋色は燃え盛る石炭
鳴り止まぬ汽笛遥か遠く響かせて
「時代は蒸気機関!」

うごめき始めた技術の唸り声が
ブリタニカ超えて広がってゆくのさ

目を見開いておきなよ
二度とはお目にかかれないぜ?
ローマ!パリ!ブリュッセル!コンスタンティノープル!

噴き出した絶叫と車窓飾ったパノラマ
感動の隅で震えるノスタルジー
強がりは今も水蒸気の儚いホワイト
懐かしい景色なぜ鮮やかに思い出す?
在りし日のウェールズ……!

便りの宛もない海向かいの故郷だけど
別れ告げず飛び出してきた僕だからさ
伝えておくれ蒸気機関のファンファーレよ
「一人きり文明の未来に旅立った」と……

決別の終着駅 乗り継いだのは
セピア色に褪せた郷愁じゃなく
胎動へのアンビション
加速する歴史 今この目で見届けたい

噴き出した絶叫と僕を刻んだスチーム・ビート
激動のヒストリーさえ追い越してゆけ
狂騒に舞う20世紀へ駆け抜ける低音咆哮
運んでよ僕をまだ知らぬ時代と駅へ
偉大な蒸気機関!

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

スチーム・ビート

イギリスで生れた鉄道が、世界に広がっていく時代をイメージした歌詞です。文明への讃歌と、文明が発達しても変わることない故郷への郷愁と、それを乗り越えて旅立っていく決意、を想像して作りました。

閲覧数:238

投稿日:2018/07/22 23:13:52

文字数:592文字

カテゴリ:歌詞

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