澄んだ声と長い髪の君に
私は一目惚れでした
友だちになろうと言ってくれた
よろしくね、の声が思わず震えた

仲良くなるのに時間はかからなくて
私を見つけると手を振ってくれる
心臓が跳ねる 大きく手を振り返す
幸せな日々が続きますように

長い髪が綺麗だと言った私に
「伸ばすよ」とはにかんだ
君の髪を結う ふわりと甘く香る
それは特別な色をした大切な日々の記憶

澄んだ声が知らない名前を呼ぶ
手を繋ぐ君と彼
「恋人ができたの」と頬を染めた
胸が苦しかった でも幸せならよかった

君と彼の初めての喧嘩は
仲直りまでが遠くて 君は
私に近寄り くしゃりと泣き出した
そっと撫でてみる
短くなった髪を

そう 短い髪が好きだと彼に言われた
君はあの髪を切ってしまった
私の大好きな君は彼のもの
それは酷く残酷な日々の記憶

「私なら君を守れるよ」
そう言って抱き締めた震える身体
「私だけの騎士様(ナイト)だね」
と顔を上げた
嘘をつくのがとても下手な人

大好きな人 愛しい人
私なら泣かせたりしないのに
長い髪のほうが好きだったよ、と
もう一度言ってみると はにかんだ

遠い昔を思い出す 幼かった私のこと
結局言えないまま今日になった
白いドレス纏う君の
髪はショートカット

「やっぱりショートが君には似合うね」と
言ったら涙が止まらなくなった
なんで泣くのよ、と困った顔で笑う
君は何も知らない
綺麗な変わらぬ声で

私のほうがずっとずっと
君のことが好きなのに
「君の幸せが嬉しくて、嬉しくて」
顔は隠したまま
大切な大切な 嘘をついた

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私の愛した君

同性に恋をした女の子の話。

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投稿日:2017/09/20 14:27:33

文字数:681文字

カテゴリ:歌詞

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