※注意!
この作品はタイトル通りマチゲリータPの「暗い森のサーカス」の解釈もとい妄想小説です。あと某有名PVにも影響を受けております。
出来るだけ原曲に忠実にと思ったのですが如何せん妄想なので主人公がGUMIだったり座長が2人いたりカップリング要素が多数あったりと勝手な独自設定のオンパレードとなっています。

よって原曲のイメージを壊されたくない方、カイミク←レン、グロ表現(になるのか?)などが苦手だなって方はリターン推奨です。

おkな方はそのままスクロールしていただければ。
マチゲリータPに敬意を表して。

♪~ ♪ ~♪ ♪♪ ~


【勝手に妄想】暗い森のサーカス【自重できなかったよ】第三幕


「さあて、いよいよこのショーも終盤へと近づいてまいりました。お次は我がサーカス一番の目玉、冷たあいモノが大好きなカイトです!」

 辺りが一瞬で暗くなり観客たちがざわつき始める。舞台でいう暗転と同じ演出だわ。一体何が出てくるのかしら。
 これまでショーを見てきて怖いながらも楽しめてきたわたしはすっかりこのサーカスの虜になっていた。いわゆる怖いもの見たさってところね。
 期待に満ちた眼差しで食い入るようにステージを見つめていると、不意にすぐ横のライトが点いて思わず「きゃっ」と叫んでしまった。けれどもそんな声は下まで聞こえなかったらしく、ショーはそのまま続いている。
 ライトはその一つしか点いていないようで、その光の中心には一人の男の人がいた。上から見ているから少し分かりづらかったけど、どうやら拘束具で椅子に縛りつけられているらしい。深い青色をした髪が揺れたかと思うと急にこちらに顔を向けてきた。
 ばれた!?わたしは一瞬間のうちに最悪のシナリオを想像したが、青い男の人はぼーっとこちらを見ているだけだった。否、その瞳は虚ろで、何かを映しているとはとうてい考えられない。
 しんと静まり返った観客たち。真っ暗なステージに、一筋のスポットライトに照らされた虚ろな青い男の人。妙な緊張感の中でいつの間にか彼の目の前には皿が置かれていた。その皿の上にあるものは・・・

「ヒイッ」

 観客の一人が悲鳴を上げる。わたしも叫びそうになって慌てて口を手で押さえた。そこにあったのは、人間の、腕。白いとも黒いとも、赤いとも青いともいえるそれを見つめる青い男の人から、何かの雫が流れ落ちる。
 きっと、泣いているんだわ。あんなものを間近で見て、とてもとても怖いに決まっているもの。離れたところから見ているわたしだってこんなに怖くてしかたがないのに。
 でも、そしたらなぜ、あれがお皿の上に・・・?考えを巡らす前に答えは導かれていた。彼は泣いてなどいなかった。彼はソレに食欲を掻きたてられているのだ。
 そこから先はあまりに酷くて見ていられなかった。それでもあまりの恐ろしさに体が固まってしまい、わたしの目は容赦なくその光景を脳へと送り続けた。再び照明が落とされ、明るくなった時には青い男の人は消えていて代わりに紅い女の人と黄色の双子が立っていた。

「楽しんでいただけましたでしょうか?本日の演目はここまでで御座います。皆様お帰りの際はコノヨウナモノ達と出会わぬよう気をつけてお帰りくださいませ。本日はショーを見ていただき、誠に有難う御座いました」

「アリガトウゴザイマシタ」
「アリガトウゴザイマシタ」

 観客たちが一斉に拍手をすると紅い女の人と黄色の双子が恭しく何度も礼をした。その音ですっかり恐怖に慄いていたわたしははっと我に返り、パパとママより先に帰らなければならないことに気づいた。
 早くここを出なくちゃ・・・。そう思い階段を駆け降りたまでは良かったのだけれど、来るとき適当に歩いてきてしまったので出口がどっちの方向だったのか分からなくなっていた。
 戸惑っていてもこのままここにいては埒が明かないわ。しかたなく不安に押し潰されそうになりながらもテントの中を彷徨い歩っていると、わずかに物音が聞こえてきてわたしはさっと身を隠した。
 物陰から様子を窺うと黄色の双子と水色の少女、そしていまだに拘束椅子に縛り付けられたままの青い男の人が見えた。どうやら双子が少女を台車にのせてこの青年のもとへ連れてきたようだ。

「アガアアアアッ!!アガアアアアアァアアアアアアァァアァァァアァァァァァァッ!!!!!」

「カイト・・・カイト・・・ッ!」

 少女は転げ落ちるようにして台車を降り、見かねた双子が手を貸してやっと立ち上がると双子からフラスコに入った液体を受け取りそれを口に含んだ。
 青年はなおも暴れていたが、少女が崩れるようにして青年を抱き締め、手でがっちりと頭を固定し口移しで液体を飲ませると、しばらくもがいていたもののすぐに大人しくなった。

「ごめんね、カイト・・・ごめんね・・・」

 泣きながら少女は語りかけるが青年は全く反応しない。

「これね・・・あの人たちに見つからないよう隠し持ってたの・・・これは貴方が持っていて・・・」

 少女がおもむろに取り出したそれは古い写真だった。水色の少女と青い男の人が、幸せそうに微笑んでいる写真。虚ろな目のままの青年の胸ポケットにそれを入れた。

「それもこれも・・・みんな、みんな、私のせいだわ・・・あのときあんなこと言わなければ・・・」

「泣カナイデ」
「泣カナイデ」

 そういって双子は青年と少女の頭をそれぞれ撫でていた。男の子の方は少女の髪を一房すくうと顔に押し当て、泣いていた。

「ありがとう、リン、レン。きっといつか、私が殺してあげるから・・・」

「それは無理よ」

 背後からいきなり声が聞こえ、振り返るとそこにはあの紅い女の人が立っていた。

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい
  • 作者の氏名を表示して下さい

【勝手に妄想】暗い森のサーカス【自重できなかったよ】第三幕

プロットができてる部分全部消化しちまったぜわっふー!ども、一度ならず二度までもやるヒトモドキ、にゃん子です。

わっふー!をつければすべてが許されると思ったんだ。これに関しては反省はしているが後悔はしていない。いややっぱりごめんなさいm(_ _)m

ついにぼからんの「大人の都合」がなくなりますね。マチゲさんの小説書いてる横でこんなこと言うのもアレですがBDAの作品がランクインするところを早く見てみたいです。よしえさんとやすおが素敵過ぐるww

続きますよ。

追記:「大人の都合」解除はのぼり棒と筆おろしだけのようです。勘違いも甚だしく恥ずかしい限りです。誤解を招くことを言ってしまい申し訳ありませんでした。

閲覧数:1,745

投稿日:2009/08/20 00:18:09

文字数:2,370文字

カテゴリ:小説

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  • 望月薫

    望月薫

    ご意見・ご感想

    ふおああああああ!またしても天上人が!!
    コメントありがとうございます桜宮さん!!もう幸せの極みだ…!

    いやいや桜宮さんこそがわっふー販促委員会委員長でなくて誰がなるんですか!!さっそく委員長と呼ばせていただきますよ!桜宮委員長!(あれ、小春委員長?)

    一度しかコメントさせてもらってないのに全部読んで頂けるなんて恐縮です!拙い文章でさぞ読みづらかったでしょう。しばらく投稿しないうちに自分の未熟さを痛感、日々反省しているところです(←
    そもそも暗い森のサーカスがうpされたときにはルカもGUMIもいないわけで。すごく今更ですしとても解釈どころの話ではないので勝手に妄想、という形を取らせていただいております。でもこの曲と出会ったときからすべての配役をボカロで(しかも公式で)やりたいと思っていたので今がちょうど良かったのかもしれませんw
    もちろん桜宮さんの「お立会い、お立会い!」も読ませていただきましたよ。文面から何からすごく生殺しPさんの雰囲気が出てて「すげええええええ」と叫ばしていただきましたww貧乳はスt(ry

    待っていただけるなんてほんとありがとうございます!すでにいろいろな〆切をぶっちしてるので続きはまだあげられないんですが、できるだけ早めにあげたいと思っております!生殺し状態で申し訳ありませんが今しばらくお待ちくださいm(_ _)m

    それでは応援ありがとうございました!わっふー!

    2009/09/07 20:29:41

  • 桜宮 小春

    桜宮 小春

    ご意見・ご感想

    どうも、わっふーです!
    こちらへのコメントは初めてですね、「わっふー販促委員会」委員長の桜宮です。
    広報係の方に委員長に推薦されてしまい……私でいいんでしょうか←
    まぁそれはおいといて。

    三話まで一気に読ませていただきました!
    GUMI視点、10メートルの背の座長がルカとは……その発想はありませんでした。すごいです。
    どきどきしながら続きを待たせていただきます……っ!
    これからもがんばってください!
    ではノシ

    2009/09/07 13:24:01

  • 望月薫

    望月薫

    その他

    はえええええ!こんな吹き溜まりに天上人が参られたよ!!
    コメントありがとうございますつんばるさん、いいえつんばる様!!

    初コメがまさかのつんばるさんだなんて嬉しすぎて死んでしまうわ…!
    ピアプロからメールが来た時「ふおわああああああ!!!!!」
    と出先にもかかわらず絶叫しまいました(ただの変態
    通りすがりのおばさんに白い目で見られたことは二人だけの秘密ですよ?(訂正:末期の変態

    わっふー販促委員会ww
    入会希望なんですがどこの窓口で受付してますでしょうかw
    入会金はどこに振り込んだら良いのでしょうwww

    全部読んで頂けたなんて恐れ入ります…!
    主人公がGUMIなのは他の作品と被らないようにしたかったのと(自分の中では)まだキャラ立ちしてなくて好き勝手できるかな!と思ったからです。そして生殺しですみませんww顔がしてやったり顔になっているのは見逃してくださいwww

    大人の都合の件に関してはまじですよ!週間ぼからんだけかもしれませんが。
    BDAは「バニラ婦人」がマイブームです!!今の季節にもぴったりなので。

    それでは本当にありがたいコメントありがとうございました!わっふー!!


    (今更ロミシンからのファンだなんていえない…!!)

    2009/08/23 19:45:19

  • つんばる

    つんばる

    ご意見・ご感想

    わっふー! こんにちは、「わっふー販促委員会」広報係のつんばるです(何を勝手に

    暗い森のサーカス、既投稿ぶんは全部読ませていただきました! GUMIを視点に持ってくるなんて
    新しいなあ、と思いながら読んでいたのですが、今回いいとこで切られててこれが生殺しか! と
    悶えております! 続きが気になる終わりっていいですね……!

    てか、ぼからんから「大人の都合」がなくなるってまじですか! BDA好きなのでわくわくです!
    それでは、これからもがんばってくださいー!

    2009/08/23 13:35:01

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