悼み、笑顔、記憶
瞼の奥で 静かに 静かに
君はまだ 笑っている

どうして? 分かってる
生温い赫色が
頬を 腕を 身体を
伝っていく、 感覚

斬りつけた
倒れていった
何度も 何度も
繰り返した

君は 笑っていた
鬼の様に彷徨い続ける僕の傍で
優しく 優しく 笑っていた

大丈夫だと言った
君は人だと 鬼では無いと
その小さな手は 温かかった

護る術を 知らなかった
奪い 捨て そして 壊した
それで 君を 護れると思った


それは、 妄想


何もかも 失った
護ろうとした君は 僕の足下、
静かに 静かに 横たわっていた

僕の握った剣の先は
鮮やかな赫で 彩られていた……


嗚呼どうか
神がいるのならば どうか
僕に罰を 
何よりも耐え難い地獄の業火を

どうか どうか



………………。



心の奥で 音がした
ココロの壊れる 音がした

ライセンス

  • 非営利目的に限ります

斬香の記憶

小説、というより詩ですね。
“君”が居なくなった後の
       “僕”の独白。

閲覧数:141

投稿日:2009/08/05 21:09:49

文字数:386文字

カテゴリ:小説

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