タグ「小説」のついた投稿作品一覧(82)
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アーチストたちが、アトリエを構えている施設、「ニコビレ」。
その1階の奥にある作業室で、ミクちゃんとルナさんが話していた。
彼女たちの前の机に置いてあるのは、人形の“はっちゅーね”だ。
「こっちの声が、向こうに聞こえるって…。それ、一体どういうこと?」
ルナさんが、ミクちゃんに尋ねた。
「うん。たと...玩具屋カイくんの販売日誌(165) “はっちゅーね”の不思議 (その2)
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ここは、ゆくりさんの雑貨店「ゆっくり」。
さきほど、ちょっと不思議なことが起こった。
売場に並んでいる、話しかけると答える人形の“はっちゅーね”。
そのしゃべり声が、デフォ子さんの声にそっくりだったというのだ。
自分のバッグから携帯電話を取りだして、モモちゃんは、りりィさんに聞いた。
「デフォ子さん...玩具屋カイくんの販売日誌(164) “はっちゅーね”の不思議 (その1)
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「ぷっ。あ、あっはっはあ」
「こいつ、いい加減にしろよ」
「ご、ごめん…。でもさ、あっはっはっは」
顔をまっ赤にして、怒っているレン君のそばで、リンちゃんは指をさして、おなかを抱えて笑っている。
レン君の頭の上に、針金でとり付けた天使の輪が、プルプルと震えている。
ここは、ゆくりさんのお店、雑貨店「...玩具屋カイくんの販売日誌(162) “はっちゅーね”との、ひととき (その2)
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デフォ子さんが入居する施設、「ニコニコ・デザイナーズ・ビレッジ」、通称・ニコビレ。
ミクさんは、彼女と2人で作っている人形の“はっちゅーね”の打ち合わせに、ここに来た。
ティールームでお茶を飲んだあと、2人はニコビレの「作業室」に向かった。
デフォ子さんが部屋の引き戸を開けると、室内には先客がいた。...玩具屋カイくんの販売日誌(161) “はっちゅーね”との、ひととき
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「コスプレねえ。売場でコスプレ、って、ふむ…」
とりとめもなく考えながら、りりィさんは歩いていた。
新製品の「テト・ドール デビちゃん」の売り出し作戦がはじまった。
コヨミくんが提案したのが「コスプレ」。
人気店の、人気スタッフが、ドールの世界と同じ服装をしてみよう、というものだ。
「うちの店では、...玩具屋カイくんの販売日誌(158) デビちゃん、売り出し作戦開始 ~その3。
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「うわぁ、何だこれ。おいしいけどさ」
注文したカクテルの“ソルティ・ドッグ”を一口飲んで、霧雨さんは顔をしかめた。
グラスのふちについている塩を、もろになめてしまったのだ。
「ソルティ(塩っぽい)、だもの。辛いでしょ」
りりィさんは、それを見て笑う。
バー・タイムになった「カフェ・つんでれ」。りりィ...玩具屋カイくんの販売日誌(157) デビちゃん、売り出し作戦開始 ~その2
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目立たないように、サッと入ってきて、通り過ぎようとしたモモちゃん。
「あれ?」
店内に、おなじみの顔があったので、足を止めた。
カフェ・つんでれの店内には、テーブルに顔見知りの3人が座って、お茶を飲んでいた。
ほかにはお客はいない。
「あ、モモさん」
「霧雨さん。いらっしゃいませ」
「これからですか...玩具屋カイくんの販売日誌(156) デビちゃん、売り出し作戦開始 ~その1
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「ワタシ、ちょっと“オカルト”っぽいことが好きで、いろいろ想像しちゃうんだけど」
レイムさんは、作っていた粘土の小物を置いて、言った。
「この部屋で、デフォ子さんが“爆発”事故を起こしたときに、不思議な作用が起きたのかもしれない」
「不思議な?」
マコさんが聞いた。
「どんな、不思議なことです?」
...玩具屋カイくんの販売日誌(155) レイムさんの推理
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壁の穴をふさいだベニヤ板の向こうから、聞こえてきた男の人の声。
そばにいた3人は、思わず顔を見合わせた。
「んー、なんやろ? 男の人の声、聞こえましたよね」
マコさんが、首をかしげて言う。
「ええ、たしかに」
ぱみゅちゃんも、眉をしかめて答えた。
マコさんとレイムさんは、部屋を見回した。男の人はもち...玩具屋カイくんの販売日誌(154) ニコビレ、作業室の謎の穴
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「なんか、よくわからないけど…」
デフォ子さんは、お茶のカップを机に置いて言った。
「ウワサでは、たまに、人の話にあいづちを打つんだってサ」
話を聞いていたマコさんは、目を丸くした。
「はぁ。でも、それって、中にはいっとるマイクロ・コンピュータで、反応するだけとちがうの?」
アーチスト支援施設の「ニ...玩具屋カイくんの販売日誌(153) はっちゅーねと、不思議な穴
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「ど、どうも…」
こころなしか、そうっと開けられたような扉の陰から、おずおずとのぞき込む顔は、レン君だった。
「おや、いらっしゃい」
吉さんが声をかける。
「へっへぇ、来ちゃいました」
頭をかいて、そっと入ってくるレン君。
夜の時間、「カフェ・つんでれ」は、バーのスタイルで営業している。
いまは、夜...玩具屋カイくんの販売日誌(152) レン君、夜のつんでれに行く
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「こんにちは」
「ギャラリー・ゆうひ」のドアを開けて、入ってきたのは、トーイパークのメグさんだ。
「いらっしゃいませ」
にこやかに応対する、ギャラリーの観月さんは「あら」という表情になった。
このギャラリーでは、いま「ハンドメイド展」の真っ最中だ。
いろんなアーティストによる、手作りの作品を展示して...玩具屋カイくんの販売日誌(151) それって“はっちゅーね”でしょう?
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「ね、マスター。あそこにある人形、“はっちゅーね”でしょ」
りりィさんは、カクテルを飲みながら、話しかけた。
「そうですね」
グラスを拭きながら、吉さんはうなずいた。
「かわいいわねー」
ゆくりさんも、目を細めて人形を見る。
夜には、バーのスタイルになる、「カフェ・つんでれ」。
ゆくりさんとりりィさ...玩具屋カイくんの販売日誌(150) 「つんでれ」で、はっちゅーねとの夜
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「あら、ちょっと素敵なお店ね」
店のドアを開けて、りりィさんは、連れの、ゆくりさんを振りかえる。
「いらっしゃいませ」
にこやかに言うのは、バーテン姿がキマッた吉さんだ。
「まあ…失礼ですけど、イメージ変わりますね」
目をしばたかせる、りりィさんだった。
昼はカフェ、夜はバー。
新しい「カフェ・つん...玩具屋カイくんの販売日誌(149) 夜のカフェ・つんでれ
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「これも、わりとカワイイ」ですよね、どう思います?ガクポ先輩」
メグさんは、向かいに座っているカムイさんに聞いた。
雑貨店「トーイパーク」のスタッフルーム。
机の上に、新製品の人形「はっちゅーね new version」 が、ちょこんと置いてある。
この少女のすがたの人形は、言葉をかけてやると、内蔵...玩具屋カイくんの販売日誌(148) ミクさんの「はっちゅーね」
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「いらっしゃいませ」
メイド服を着た、すらりとした女性が、はずむ声で出迎えてくれた。
「あ!」とレン君は声を上げた。
「あら」と女性もまばたきをする。
新しくオープンした「カフェ・つんでれ」。
レンくんは、お得意さまをまわる道すがら、ちょっとこの店に寄ってみた。
店にいたウエイトレス…というか、メイ...玩具屋カイくんの販売日誌(147) 「カフェ・つんでれ」のお兄さん
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「んで、吉さんがウェイターになるの?」
ネルちゃんは、椅子をゆっくり回しながら聞いた。
「うん、まぁ、そういうこと」
「へぇ、吉さんにウェイターの資格があったとはね」
ひやかし半分に、白目をむいて彼女は言う。
ジー出版の、イベント室。
ネルちゃんの同僚の吉さんが、この部署をやめることになった。
新し...玩具屋カイくんの販売日誌(146) オトナの事情
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「よろしくおねがいします!」
「こちらこそ、どうぞよろしく」
「ふふ、いい先輩そうで良かった。ヨロシクお願いします!」
なんだか、昔からの友達のようになじんでしまった、一同だった。
ここは、新進のデザイナーや、創業して間もない、将来有望な企業を支援する施設の「ニコニコ・デザイナーズ・ビレッジ」。
1...玩具屋カイくんの販売日誌(144) ニコビレの新たな仲間!
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「あれ?これ、宝マガジンの新製品?」
レンくんは、かわいい猫の柄のバッグを手にとった。
「この間まで、天使の柄のバッグだったけどね」
「そうね」
りりィさんは、うなずく。
彼女のお店「上海屋」に、きょうは、レンくんとゆくりさんが訪れている。
ちょっとうす暗い空間に、いろんなフシギな雑貨が並んでいる。...玩具屋カイくんの販売日誌(142) オマケ・バッグの新製品
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「失礼します」
そう言って、ドアを開けて入ってきたのは、おしとやかそうな、背の高い女性だ。
「綾奈さんですね」
「はい。よろしくお願いします」
彼女は、椅子に座った。
ここは、絵本作家の重音テッドさんの事務所、「重音舎」。
女性の前に座るのは、テッドさんと、ちょっと年上の男の人の2人。
彼女は、こん...玩具屋カイくんの販売日誌(141) 新しい「カフェ・つんでれ」は!
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「え、新しいカフェ? オープンされたら、ぜひお伺いしたいわ」
りりィさんはそう言って、微笑んだ。
移動カフェ「ドナドナ号」の近くのベンチで、両わきに、妙齢の女性が腰かけている。
心なしか、ちぢこまるように座る、吉育三さんだった。
言葉が、少なくなった彼を見て、料理をしているたこるかちゃんは、笑いな...玩具屋カイくんの販売日誌(139) パクリじゃなくて (サンストリートの広場・Part3)
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「美味しいですね、このホットドッグ」
ユフさんは、にっこりとほほえむ。
りりィさんとユフさんが、たこるかちゃんの移動カフェでひと休みしていると、
むこうの方から、男の人がぶらぶらと歩いてきた。
「あ!おっさん!」
ホットドッグを作る手を止めて、たこるかちゃんが大声で言った。
「おい、おい、おっさんは...玩具屋カイくんの販売日誌(138) カフェ・つんでれ、再始動! (サンストリートの広場・Part2)
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「ふうぅん。“広場”って感じね。いい雰囲気のお店だわ」
りりィさんは、つぶやいた。
建物の屋上には「サンストリート」という、大きなパネルが見える。
ここは、東京スイカツリーのふもとに新しくオープンしたる、ショッピングセンターだ。
雑貨、Tシャツ、アクセサリー...。いろんなモノを売っている、色とりど...玩具屋カイくんの販売日誌(137) サンストリートの広場 (Part1)
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天を突きさすように、青空に向かってそびえているタワー。
タワーの真ん中には、スイカの形をした、まん丸い展望台がある。
これが今、世界で最も高い塔の「東京すいかツリー」だった。
「やっぱり、高いなあ」
パーティの会場の外に出て、テトさんは、タワーを見上げた。
近いうちにオープンをする予定の、「東京すい...玩具屋カイくんの販売日誌(136) 2つのピクニック (天使の雑貨と天使のバッグ ~Part8)
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●真似っこが出たの?
「なかなか、売れ行きがいいみたいね」
美里課長の言葉に、ルカさんはニッコリとうなずいた。
「ええ、ナチュラル・ハウスでも、原宿のキディディ・ランドでも、売り上げはトップみたいです」
そう言って、手元にある“天使の柄”のパスケースをつかむ。
「そう、それはよかったわ」
美里課長は...玩具屋カイくんの販売日誌(135) 天使と悪魔と、また天使? (天使の雑貨とバッグ~Part7)
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どことなく不思議な雑貨が、いろいろ並んでいる、りりィさんのお店、「星を売る店・上海屋」。
店に来ているのは、ゆくりさんと、ゆくりさんのところでアルバイトを始めたばかりのレンくんだ。
彼女たちが、りりィさんと話しているところへ、別のお客さんが入ってきた。
デザイナーの霧雨さんと、連れの女の子の2人だ。...玩具屋カイくんの販売日誌(134) 霧雨さんと、りりィさん(天使の雑貨と、天使のバッグ ~Part6)
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ゆくりさんのお店「ゆっくり」で、アルバイトを始めたレンくん。
彼女といっしょに、お得意先の、「星を売る店・上海屋」にやってきた。
そこで、彼らが店長のりりィさんと話をしていると、一人の女性が現れた。
それは、デザイナーの霧雨さん。
さきほど、みんなで、“この雑貨と、あの雑貨、ちょっと似てるね”と話し...玩具屋カイくんの販売日誌(133) レンくん、霧雨さんに会う(天使の雑貨と、天使のバッグ ~Part5)
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「よ、よろしくお願いします」
カチカチに固まった姿勢で、レンくんはあいさつした。
「よろしくねー。あら、そんなに、緊張しなくていいのよー」
やさしく微笑んで、ゆくりさんはうなずいた。
レンくんはこの度、はじめて「アルバイト」をすることにした。
彼は今年の春から、高校に通っている。
このところ、雑貨店...玩具屋カイくんの販売日誌(132) レンくん、バイトを始める(天使の雑貨と、天使のバッグ ~Part4)
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「うーん、そういえば、かなり前だけど、私たちの出てたフリマに、出てたと思う。その人」
ぱみゅちゃんは言った。
「へぇ、その、霧雨さんが?」
ネルちゃんが聞いた。
「うん。確か、本業のかたわら、趣味でイラストを描いてたんだと思う」
ぱみゅちゃんは、思い出しながら言った。
「そうか...」
考えこむよう...玩具屋カイくんの販売日誌 (131) フリマ仲間の情報 (天使の雑貨と、天使のバッグ ~Part2)
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「あ、スマーフだね、これ。かわいいね」
にこにこ笑って、霧雨さんは、棚に置いてある人形を指さす。
「どう?最近はー。いいお仕事、してるー?」
雑貨店「ゆっくり」に、ぶらりと現れた彼女に、店主のゆくりさんは尋ねた。
「うん、それがね!」
目を輝かせて、霧雨さんは言う。
「ちょっと、まとまったお金が入る...玩具屋カイくんの販売日誌 (130) 天使の雑貨と、天使のバッグ (Part1)
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空は、どこまでも澄んでいる。目の下に広がる、森の緑が鮮やかだ。
テトさんは、背中に生えた小さな黒い羽根を羽ばたかせながら、スイスイと飛んでいた。
「ふぅー、秋の空は気持ちいいなぁ」
そうつぶやいて、ふと、遠くの高い木に目をやると、木のてっぺんに美しい鳥がとまっている。
きれいな声で、歌を唄っているそ...玩具屋カイくんの販売日誌 (129) 小悪魔と堕天使
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「へぇ、こんな展示もやってるのね」
テトさんとデフォ子さんは、店内に入ってきて、展示を見回した。
ギャラリー「ゆうひ」では、いま、イラスト作品を展示している。
人気ブロガー「ぴこ」さんの描く犬のイラストは、ユニークで、目を引くものばかりだ。
「いらっしゃいませ。ゆっくりしていって。これ、ルコちゃんの...玩具屋カイくんの販売日誌 (128) 新ドールと、「ガリバー・コーヒー」
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「ふぅむ。テトさんが、新しいドールを?」
ちょと顔を上気させて、ルカさんがつぶやいた。
「うん。ま、うちで扱っているドールは、つづけていろいろ作る、と言ってくれたけどねぇ」
ちょっと寂しそうに、美里課長は言った。
輸入商社「ハミングス」の会議室で、
2人っきりで、ルカさんと美里課長が机に向かっている...玩具屋カイくんの販売日誌 (127) 天使対決!テトさんvsルカさん (テトさんの新ドール・part3)
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「うん、なかなか似合うよ。兄さん」
「そうか?」
背中に天使の羽根をつけた白いベストを、羽織って振り返るカイくん。
ミクちゃんが、ニコニコ笑いながら、見守っている。
天使の小道具の他に、ハロウィンの黒いコウモリの羽根の衣装や、怪しげなハットが、そばに置いてある。
キディディ・ランドの、売り場の奥のス...玩具屋カイくんの販売日誌 (126) 天使と悪魔!? (テトさんの新ドール・part2)
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「ちょっと陰があって、不思議な雰囲気の人...」
さらさらゆれる、りりィさんの金髪を見ながら、テトさんはそう思った。
「じゃ、ダークな感じのドールを作って欲しい、ということですね」
「ええ...そうなんです」
彼女はそう言って、テトさんの目を見つめた。
レストラン「カフェ・ドナ」の席で、雑貨アーティ...玩具屋カイくんの販売日誌 (125) りりィさんの申し出 (テトさんの新ドール・part1)