タグ「KAITO」のついた投稿作品一覧(33)
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錆び付き 捻れた記憶に
灼かれて 掻き毟る胸の
傷痕 滲み出す闇に
当て所なく放つ弾丸
毀れた 現実の先に
詰(なじ)られ 吐き捨てる過去が
抉(えぐ)られ ねじ込んだ嘘で
爛れ果て落ちる魂胆
回り始めた 針の
示す 運命の輪[Ruota della fortuna(ロータ・デラ・フォルトゥーナ)]...運命の輪[Ruota della fortuna]
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触れるグラスに 注ぐ緊張 飲み干す程に 揺らぐ表情
絡む視線に 浴びせる揶揄で たじろぐ瞬間 零れる嘲笑
撫でる指先 些細な抵抗 掻き分け噛みつく 濡れる唇
悶える渇望 呻く愚問に 踏み込む瞬間 定める照準
許すリスクに 欠ける象徴 渇いた喉に 歪む衝動
引き攣る頬に 掠める息で 戸惑う瞬間 捻れる...Beastly fang
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弛[たゆ]まずに続く時の最中 その物語は始まり終わる
いずれ咲き散る花の記憶に 映り溶け込むひとときの夢
儚さばかりが 絶えずに注ぐ
虚ろなからだに 開いた穴から
ただ鳴るだけの 音の羅列を
今宵も捧ぐは 箱庭の主[あるじ]
繰り返すだけの 希薄な音色
いびつな頤[おとがい] 複眼[め]を逸らし 伏...黄金の翅[きんのはね]
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あと少し近付くだけで 擦[こす]れ合う皮膚の
知っているその体温 感じるよりも早く
頭蓋の中にいつまでも 強く残る記憶
それなのに最後だけ 知らない顔をする
こんなリスク[risk]こんなテイク[take]
笑い飛ばせ 今すぐ 破り捨てて
彷徨う視線を 惹き付けて
あの欲しがった熱を 奪え
瞬[まば...虚構の銃-La pistola della narrativa-
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薄雲射[さ]した 明けの陽と
清[さや]か遠のく 衣擦れの音
遣[や]る眼差しの 傍らに
歌交わすひとの 温もりもなく
転がり朽ちる枇杷[びわ]を
屠[ほふ]る鳥の嘴[くちばし]
啄[ついば]む果肉が この身と等しく 抉られる
摺[す]り合わす切なさと いとしさの
かすかな捻れを 指で撫で
重ならぬ...誰が為の歌(Lushiaさまに捧ぐ)
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何もない場所に最初の音が 震えながら生まれすぐに消えていく
意味の無い音だったんだ この身体の存在と価値と同じぐらい
どうしようもない其処で僕は 何かが変わるのを待ち続けてた
時間は無限にあったんだ この身体のなか広がる虚無のように
長いような短いような無意味な時間がただ通り抜けてく
その時聞こえた...plug in the blue [ver.y]
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すれ違う手と手 裏表[ウラオモテ]
曖昧な態度 鬱も露わ
勘違いなら それでいいから
流されながら 俯いて 蔑んで
口蓋【口外】の端【恥】に あふれ出た
出来事 痴れ言 右往左往
馬鹿の指から 解かれていく
きつく結んだ 筈の秘密を
ぶち撒けるから 塗れて混ざる
そんな誤魔化し どう許せばいい?...愚痴と毒。
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抱き寄せる 冷たい肌
滑らせる唇に ほのかな熱
甘い叫びを あげる彼女が
今夜も淡い 煙を吐く
約束しよう 永遠の安息を
その鼓動と 引き換えに
深淵は 更なる闇で
罪科[ざいか]は 更なる罪で
飾られる 背徳の遊戯[or ゲーム]
逸らし合う 視線の先に...B.W.[Black or White?]
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くゆらす煙に 透ける銀の月
奏でる音色と 誘う衣の艶[つや]
織り成す闇夜に 交わす 吐息を
抱く腕の中 閉じ込める
卑しい口付け
浅い掻き傷(もっと抉って)
引き返せない(深くで)
堪[たま]らない その 痛みは証
今宵 侍[はべ]らす褥[しとね]で
滑り込ませる 指先のように...最奥の花[さいおうのはな]
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生まれた意味を探すような
無駄な愚行を繰り返す
誰もが皆 与えられた
生きるという病を 抱えながら
滑稽な寸劇
放り投げるcoin
退屈に絡まる足
沈んでゆく
混沌に咲かす 脆弱な魂
垂れ流す 甘美な言葉...bait
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凍えそうな 青の情景
幾度も
よみがえり 消え失せゆく
刹那の愛を歌う
たとえこの声が
言葉が
届かず 壊れて
泡のように消えるとしても
微睡[まどろ]みの狭間に 青の情景
何度も...青の情景
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とびっきりの毒を吐く
得意げな顔で滔々と
止め処も無くて 薄笑う
どちらもお互い様でしょう
どうしようもない昼下がり
取り敢えず今は 忘れて
這いつくばる境に添って
欲しがるまま 噛み砕き
乾いた舌で施した 愛撫
うすっぺらな身分証明...-Identity Crisis-
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数えきれない 夜を這い
抑えられない 欲を吐く
絡まる肌の 誘惑に
抗[あらが]えないまま 崩れ落ちて
隠しきれない 嘘を噛み
拭いきれない 傷を掻く
痛みを哂[わら]う 唇が
重なる端から 解ける
蝕まれてゆく 歪な感情
掻き混ぜ乱れる 刹那の情動...siren xxx
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眩む夜 深く ふかく
青褪める 冷めた皮膚
焼かれた 首を 撫で
埋もれた 土の 底
癒えた筈の傷痕は
まだ温い血を滲ませる
ぽつり 浮かぶ ひかり なみだ
細く 緩く 伸びる 軌跡
永久の果てを 探しながら
何処[いずこ] 沈む アルファルド[Alphard]...アルファルド[Alphard]
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宵闇に 滲む月の形[なり]
大禍刻を 待ち侘びて
快楽[けらく]の音色 掻き鳴らし
化生の群れが 躍り出る
鳴き止まぬ 犬を揶揄[からか]い
漫[そぞ]ろ大路を 練り歩く
拱[こまね]く猫に誘[いざな]われ
掲ぐ提灯 火が揺らぐ
囃す合いの手と お座成りの掛け声
外した手拍子 踏み鳴らす地団駄...妖夜行[あやかしやぎょう]
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どうせ叶わぬ恋ならば
いっそ奪えばいい
冴え渡る月の仄明[ほのあか]り
更けゆく夜のしじま
触れるほど近く 添[そ]う影に
映す想いも密か
流れ過ぎる儚い時に
憂うも束の間 ぁあ
揺らぐ眼差しが絡め取る
ためらいの言の葉...朝月夜[あさづくよ]
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いづれ掻き消える泡沫[うたかた]の 恋の成れの果てと ――
曙[あけぼの]の空にほの揺らぐ
淡雲[あわぐも]の消えゆくは
愛[かな]し染まりゆく藍[あい]の端[は]の
儚さにも重なり
憂う眼差しを手繰[たぐ]り寄せ
繋ぐこころ ひとつ
ぁあ
届かぬ言の葉 滑り落[お]つ衣[きぬ]の行方晦[くら]まし...泡沫人[うたかたびと]
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還らずの場所
最果てに見て
引き摺る足を
撫で 摩り 喘ぐ
憂いは 数多
嘆きも 数多
見据える先に
ひかりは ひとつ
時紡ぐ星[トキツムグホシ]が 森の葉に揺れ
深まる夜に ひしめく静けさ...時紡ぐ星[トキツムグホシ]
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揺らぐことのない深淵で
震える頬を 愛撫する
少女は怯え歌いだす
「あなたの為に祈ります」
隠したひかりの陰影で
迷妄のまま 懺悔する
少女は憂い慰める
「あなたの為に泣きましょう」
悲しいからと 晒す涙に
どれほどの価値があるのでしょう?...遺詠(ノコスウタ)
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誰でもいいから 僕を見つけて
小さくないし 薄くない僕を
誰でもいいから 僕を探して
雑でもないし 歪まない僕を
噛み合わないのも 揃わないのも
運命だなんて 呼ばないで
何処にでも有って 似てるけど
此処にしか無い ひとつだけ
取り残されるのには 慣れてるよ
でも忘れたことには しないでよ...僕の鍵
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暗がりの中に 彷徨う明かり
燻る淡い 陰りを連れて
追い縋りゆく 手のひらの
指の先からも 掠め去る
とおく とおく 響く
硝子打つ音に
顔を 上げては
深みに 眩んで
可哀想な 冬の金魚
鉢の底で 水面探し...冬の金魚(side KAITO)
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残夏を拭う 宵風が
この髪端(くしは)まで 揺らすのに
誘われひとつ
咳払い
からころ鳴る下駄 歌わせながら
咥えた煙管の香を呑んだ
遠く日暮、かなかなと
近く蟋蟀、じりじりと
移る季節に 滲み出す
憂うこころは 遣る瀬無く...待宵歌(まつよいうた)
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絡みつく糸 吊られる傀儡の 虚ろな眼窩より
暗い回廊 その奥に燈った 洋灯(ランプ)に揺らぐ影
あぁ 客人様
お待たせしました さぁ遠慮なさらず どうぞコチラまで
お探しのものは どんな色で
どんな音で鳴き歌うものですか
お望みのままに 仕立て上げて
必ずお気に召すものを ご用意します
深まりゆく ...迷執人形館(めいしつにんぎょうかん)
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降り続く真白 しんと鳴り
空と地平の 境目も
混ざり合い溶けて 消え失せる
眩む目だけが 取り残される
積もり凝る 愛惜は
奥底にまで 染み込んで
伸べる手でも なにひとつ
拾うことも 叶わずに
横たわる褥 あかいはな
誘(いざな)う香り 甘くあまく...赤い花
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遥か 地平の果てに沈む朱(あか)と
たゆたう 薄雲の翻る藍
遠く そびやかす土塊の狭間
過ぎ行く 風の手が 衣の端(は)を遊ぶ
冴え凪ぐ 砂の海は幾重にも続き
無窮の地に 記す礼賛の文様
踏み締めるは 芥の過去
掬う指先に 満ち足りずに
滑り落ちて 紛れ掻き消える
悉く...砂礫の記憶
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暗がりの中の 小さな明かり
群がる弱いものたちみたい
泣きそうな顔 隠しても
笑う唇が引き攣れる
くらい くらい 場所で
膝を抱えたら
いつか誰かが
見つけてくれるの?
可哀想な冬の金魚
鉢のなかで 泡を吐いて...冬の金魚
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傾ぐ降る日を 浴び照り返す
清かなる刃の 撫でる祈りに
落つ影の淡い 輪郭が疾[と]く
増し深まりゆく 夜はただ濃く
沈む世界を 踏む足音が
歌に響きに 紛れ混ざり
息吹くBarong[バロン]の 差し伸べたる手
目覚めるRangda[ランダ]の 揺らいだ爪が
掻き出す憂いと悲しみは
艶やかに咲く ...Sekala‐Niskala(スカラ・ニスカラ)
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爪弾いた絃(いと)が たおやかに震え
長い夜の足音を 紡ぐ
冷たさを孕む 莢かな風が
緩やかに髪を 撫でて 過ぎた
瞬きの端から 零れ溢れ
蒼の狭間 碧は混じり
鳴る鈴の響き 撓る唇の
歌は遥かなる 空へ吸われ
巡る 辿る
時と 想いは...夢幻詩(ムゲンノウタ:lushiaさまに捧ぐ)
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まるで世界は其処だけのように、
ほの暗い闇のなかに焼き付いた
震わす指先は捧ぐように空へ
滑らすつま先は伏した頭(こうべ)の如く
石床(いわどこ)に、擦り付けられた
轟くのは、音
響くのは、歌
流れ込んだ、風が
散らした篝火の、粉(こ)が
此処に神は居た...Sayang(サヤン)-原詩 ver.-
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ひかりの射した しじまの記憶
深い熱の静まる場所で
ほの揺らぎ澄んだ 淡い波紋が
密やかに生む 細微な辛苦
朽ちないからだに 積もる哀悲
濡らせぬ頬を 悔やみながら
あなたの為に 声を捧ぐ
あなたが呉れた 歌を歌う
あなたが求め 望んだように
あなたを想い 懐かしみながら...コトノハ(銀木犀さまに捧ぐ)
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