「す…好きですっ!!」

「ごめん、彼女…いるから…」

私の恋は呆気なく終わりを告げた。

それから、私はもう人を好きになんてならないと決めた。

「グミ~、昨日どうして怒って帰ったのよ~」

「え?私怒った?」

「忘れたの?昨日私がグミの好きな人聞いたらさ…」

記憶にない。確か昨日は気付いたら家にいた。

異変が起きてる、ということは分かったが、どのような異変かは分からなかった。

「グミちゃん、」

「かっカイト君…?」

「昨日はゴメンね、泣かせちゃったみたいで…」

「え?う、ううん、大丈夫。」

「そう?良かった。」

好きになんてならないという誓いは一気に崩れ落ちた。

グミはカイトの笑顔と優しさに恋をしてしまったのだ。

―でも、またフラれたくない…

それからは覚えていなかった。

気が付いたら朝で、お母さんの『起きなさーい』という元気な声が聞こえた。

「あれ…?昨日…どうなったんだろ…」

疑問を抱えつつ、私は家を出た。


それから数日間の記憶は全くと言っていいほどなかった。

「グミちゃん、ちょっといい?」

カイトに呼ばれた。

「いっ、今行く!」






「どうしたの…?」

「俺さ…」

変な期待がぐるぐるしている。

「グミちゃんのこと、好きになった。」

信じられない、嬉しい。しかしその気持ちは打ち砕かれた。

「君が別人みたいにさ、俺のとこに来たから…胸がギュって締め付けられるんだ。」

―別人…――?

「でも、他の君には伝えたけど、俺は1人しか愛せない。つまり、俺は1つの人格しか愛せないんだ。」

――私は多重人格―?


「ははっ…そうなんだ…」

―何で私は笑っているの?



心の中で誰かが言った。

『私たちは、あんたの恋の為に作られた人格って訳ねっ』

『あら、そうみたいね、残念だわ~』

『何なんだよ!!ほんっとにあり得ないっ!!』

『幸せになってねぇ!!』

みんな、私の声。
この人たちは、私の人格?

『じゃあもう私たちの役目は終わっちゃった…ぐすんっ』

『ホントは食べたいけどね~うふっ』

『えぇ~そうなの~?』

『おめでとうっ、私!!』

『お幸せになってください。』

この人たち、いや、私たちは私の為に存在してくれていた…。

「みんなで、笑おうよ。」

―さよなら。そしてお帰り。
私は元の1人だよ――。


「カイト君、私も好きです。私と付き合ってください!!」

「うん、よろしくね、グミ。」


――ありがとう、みんな―。





fin.

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十面相【自己解釈】

手直ししたー。
10人全員出してみた。
セリフ順に
1.ツンデレ
2.セクシー
3.肉食系
4.お花ちゃん
5.泣き虫
6.ドS
7.デレデレダルダル
8.陽気っこ
9.おとなしい娘
で、主人公がノーマルGUMIちゃん。
分かりづらくてすいません。

閲覧数:3,917

投稿日:2011/05/10 22:50:57

文字数:1,082文字

カテゴリ:小説

  • コメント3

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  • 魔熊

    魔熊

    ご意見・ご感想

    全員出た!!
    どのGUMIちゃんも可愛い(*^^*)
    ご苦労様(*^-')b

    2011/05/10 23:41:04

  • 魔熊

    魔熊

    ご意見・ご感想

    十面相だ!
    どのグミちゃん可愛いO(≧▽≦)O
    文才ありまくりじゃん!!

    2011/05/05 11:42:03

  • 檸檬飴

    檸檬飴

    ご意見・ご感想

    十面相は私も大好きな曲だ!!
    グミちゃん可愛いよ(*^^*)
    どの人格も好きだから選べない(>_<)

    連載の方も頑張ってね(^^)

    2011/05/05 11:15:40

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