「ごめんなさいっ!!私、彼氏いるんで…」

終わった。

なんで俺はいつもこうなんだ。

すぐ惚れて、告白したら彼氏持ち。

まったく、ついてない。


「ミヤ♪」

「何？」

「私ね、ミヤのためにお弁当作ってきたの！」

「朝渡せば良かったのに。」

「なんかこういうのいいじゃない？」

「グミ、お前は彼氏作れ。」

「嫌！ミヤが一番なの!!」

ブラコンにも程がある。
でもグミは綺麗だから何をやっても許されるだろう。

「俺よりもっとカッコイイヤツいるだろ？ほら、例えばあいつ。ルキとｋ」

「嫌。」

「即答かよ…」

「ねぇねぇ、グミヤくんさぁ。」

「今度はどこで合コンだよ、メイト。」

「今回ばかりは違うぜ？お前に会いたいっていう女の子がいんだよ!!会ってみねぇ？」

「マジ？会うだけなら、まぁ…」

「っしゃ!!けってーな！」

「あぁ。」

「あ、ちなみにひとりで行けよ？俺は初音を、その、ゴニョゴニョ…」

「あー、はいはい。頑張れよ。」

メイトはミクが好きである。

でもミクはどうやら興味がないらしい。

他に好きな人でもいるのだろうか。

「そういえばミクは彼氏とかいんの？」

それはふとした疑問で。

「かっかれしっ!?」

こんなに驚くものだろうか。

「うん、そうだけど、何かまずかったか？」

「いやっ、いないし、別に…」

「そっか、お前に抜かれたくねぇしな！」

「失敬な！」

冗談だよ、と俺は笑った。

「グミちゃん今日さ…」

「え～、今日は無理かな～」

クラスの隅で男子と話すグミ。

「何でグミはあんなモテんのに…」

ふと出た本音。


「それ、理由分かるよ。」

「うぉっ、マジで!?何だよ、メイト!!」

「簡単だよ、お前と初音、はたから見りゃカップルだぜ？」

は？俺とミクが？

「はぁ!?」

ミクも同じような反応をした。

「てかお前ら付き合っちゃえよ。なぁ、初音？」

ミクをみる。

困ったような顔をして、答えた。

「私は、別に。」

そっぽを向く。

これは、俺が何か言うのか？

メイトが見てる。

メイトは質問したことを悔やんでるらしく、寂しそうな瞳をしていた。


「ミクは友達だし、そんな関係になったら取り戻せないだろ。」

とっさに口に出た言葉。

「あ…」

ミクが俯く。

「ごめん、ちょっと外す。数学休むね。」

「え？あ、あぁ。」

そういって走っていってしまった。

何が悪かったのだろうか。

ミクが悲しそうにしている姿は見るに耐えられない。

「初音！」

追いかけるメイト。

佇む俺。

何で、こんなに心が痛むのだろう。

何で、佇んでいるんだろう。

二人が何故出ていったか分からないようなフリをして俺は席に着いた。






fin.

やっぱり続きません。