店に戻ったるかは裁縫箱を取り出しました。

「それにしても貴方も酷い人ね
私を見た途端『初めまして。こんにちは』だなんて
まるで私達他人みたいじゃないの。嫌な人」

るかは笑いながら言うと
最後にあの裁縫鋏を取り出しまして――…
「『だけど仕事は頑張らなきゃ』」
あの口癖を言いました。

「あら貴方、『この鋏随分赤くなってるから
錆びちゃったんじゃないか?』って思ってるでしょ?
それが不思議と研げば研ぐほどよく切れるの
だから凄く重宝するのよ…フフフ」

るかは笑いながら横の机に話しかけました。

そこには赤黒く染まった襟巻きの敷かれた上に
若い男の生首が静かに置かれていました――――



















『―――さぁさ皆様、お楽しみ頂けましたでしょうか?
女の嫉妬は時にこの様な災難を生むのでございます。
皆様もどうぞお気を付けて下さいませ…。
え?あの仕立屋の娘は結局はどうなったかって?
残念ながらそれは解らずでございます。

さてさて今宵の舞台は之にて閉幕、
ではまた次回にお目に掛かりましょう………』

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

円尾坂の仕立屋 終幕

『円尾坂の仕立屋』完結です
ラストは私のオリジナルになっています

閲覧数:1,133

投稿日:2010/10/27 09:45:54

文字数:468文字

カテゴリ:小説

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    ご意見・ご感想

    Miyux2さんが書いた小説の【円尾坂の仕立屋】…

    ほんのちょっと興味があって呼んだのですが、

    とても面白いし読みやすくて、ファンになっちゃいました!!

    最後のラストの所はオリジナルと知り、本当に上手だなぁ…と思いました☆


     次回楽しみです♪

    2010/10/27 17:27:47

    • Miyux2

      Miyux2

      メッセージありがとうございました^^
      最後のどんでん返しを どうしようか考えたらああなりました…(苦笑)         他にもインタネ版サンドリヨンや、少しですが新城PのJEWELも書いてます。そちらも読んで頂けると嬉しいです

      2010/11/02 10:18:00

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