『可愛くないなお前は!』

彼氏のグミヤと喧嘩したときに言われた言葉。

私はショックで言い返す気にもなれず、1人泣きながら家路を歩いていた。

喧嘩の発端はグミヤの

『ミクって最近綺麗になったよなー』

という言葉。

確かに親友のミクは可愛くて性格が良くてみんなの人気者。

だけど、彼女の前でそんなこと言わなくたって良くない!?

ミクに比べたら劣る私。

でもグミヤは私の“魅力”ってものを好いてくれると思っていたのだ。

ムカついて言い返してしまった私も悪いのは承知の上。

だけど…大好きなグミヤには“可愛い”って思って欲しかった。

「ん?あれ、グミ?」

歪んだ視界に映ったのは鮮やかなピンク色。

こんな色の人は私の記憶の中で2人しかいない。

そして声から判断すると彼しかいなかった。

「ルキ先輩…」

「ってえ!?何で泣いてんの!?」

「な、泣いてないです…っ」

私の瞳から落ちた雫がアスファルトを黒く染めた。

「はぁ、それを泣いてる、って言わず何て言うんだよ」

「っ、ルキせんぱぁい!!」

私は思わずルキ先輩に抱きついた。

それをルキ先輩は驚きながらも受け止める。

さすが男の人だ。

「何があったんだ?」

涙を細長い指で払いながら優しい声色で私に尋ねた。

「…実は──」

それから私はルキ先輩にすべてを話した。

喧嘩したこと、“可愛くない”と言われたこと。

私が話すたびに相槌を打ってくれた。

「──そうか、でもグミ」

私は真っ直ぐ私を見るルキ先輩の目を見た。

「グミヤはきっとミク以上にグミが可愛いと思ってるよ」

「そんなこと、どうして分かる…」

「グミ!!」

私の言葉を遮った呼び声。

それは紛れもなく大好きな彼の声で。

「グミ、ヤ…」

「っ、ごめん!!」

いきなり来ていきなり頭を下げるグミヤに私はあたふたした。

「“可愛くない”なんて本音じゃない。本当は、誰よりもグミが…その、かか可愛いと思ってる!」

顔を赤くして言うグミヤは何だか可愛くて。

私に可愛いとか言いながら自分が可愛いじゃん、なんて心の中で悪態をついてみる。

「あー、俺邪魔?ま、グミもグミヤも上手くやれよ」

「あっ、ルキ先輩ありがとうございました!」

とっさに頭を下げるとルキ先輩は笑ってどういたしまして、と言った。

「…そういえば何でルキ先輩といるの」

「ちょっと相談させていただいただけだよ」

最早クエスチョンマークも付いてない質問に少し焦りながら答えた。

それが何だか気にくわないらしく、暫くルキ先輩がいた方向をじっと見ていた(睨んでた?)

「それはそうと、その、私がかか、可愛いとか…」

「あー…っ、そりゃ可愛いと思ってなきゃ付き合ってないからね」

その言葉に私は世間で言う“茹で蛸”状態になった。

「……そ、の…ミクは友人だし、特別な感情はないよ」

「あったら殴ってたしっ」

真っ赤な顔で言われても怖くないよ、と笑ったグミヤに一発食らわせ、晴れた視界で道を歩き始める。

「いってー…。ホントに殴るとか…!」

「いいから帰ろ?グミヤ!」

「……ったく…」

とか言いながら私の手を取って笑った。

「ふふっ」

「…何」

「だーいすき!!」

「……知ってるよバーカ」

喧嘩するほど、仲は深まる






fin.

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

喧嘩するほど

どもども禀菟です!
最近友達に見せられた録画してあるホラー特集が怖くて風呂の時間が10分縮まりました!

それで怖さを和らげるためにほのぼの系を…と思った次第です。
ほのぼのになってますか?
ルキが先輩でグミヤが彼氏でミクが親友。
グミちゃんその立場変わってくださいお願いします(ジャンピング土下座

閲覧数:337

投稿日:2011/12/29 00:28:42

文字数:1,411文字

カテゴリ:小説

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  • 檸檬飴

    檸檬飴

    ご意見・ご感想

    ミヤグミ可愛い!
    嫉妬グミちゃんナイス!!
    やっぱり、ルキは恋のキューピット役が似合うねww

    ホラー特集だと…!?
    そういうのを見るなんて勇者だよ!
    確かにこれ見たら、怖さ和らぐと思うけどねww

    2011/12/29 16:48:41

  • 魔熊

    魔熊

    ご意見・ご感想

    グミちゃん可愛いよ(*´∇`*)
    グミちゃんは愛されてれば良いんだよ。
    喧嘩するほど仲良いってことだよね!
    …でも、グミちゃんを泣かせちゃ駄目だよ!!

    なんか、ルキがカッコいいんだけどww

    2011/12/29 00:45:52

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