例えば稀に君の声を思い出そうと
する時のように
誰かと
繋がりたいとは別に思わないが
無意識に手を伸ばしてしまった
それはいったい何十度

焦点が合わない視界に
アスファルトが焼け焦げてしまった
立方体が織りなす輪舞曲に
夢中になって目の見えない三角さんが
また考えている

今君の位置は二万キロメートルと百十一度
繰り返す回転に床が悲鳴を上げている
君との距離がまた
分からなくなってしまう
ああまた錯覚で生きてしまった


愛されたい欲に
気持ち悪さが厚い盾を貼り
君とまた距離をおいてしまった

重度のこの傷害を
前にして立ち尽くす前に
左腕を自傷の代償にして
すべてを手に入れるなんて妄想とくに
繰り返している

今僕の位置は六万百三十キロメートルと
七十五度
度重なる計測に定規が歪んてしまっている
君との距離がまた
分からなくなってしまう
ああまた錯覚で生きてしまった


叶えたいと願って
傷付かない手段に固執した、
欲しかったのは唯一つ
自分に残る人間味だった

とりあえずと言ってみたものの
何一つ進まない現状に
嫌気が差して
他人の死体を糧にして
辿り着こうとしてしまっている

今君の位置は四千七十六キロメートルと
三十七度
無数の針が残した傷跡が大地にヒビを入れていった
君との距離がまた
分からなくなってしまう
ああまた錯覚で生きてしまった
それでも僕はまだ君が視界に映り込むと
信じてしまっている

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

錯覚で生きてしまっている

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投稿日:2024/03/11 15:58:09

文字数:612文字

カテゴリ:歌詞

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