オリジナルのマスターに力を入れすぎた結果、なんとコラボ(2人)でお互いのマスターのお話を書けることになりました!
コラボ相手は、カッコいい素敵なお姉さんの生みの親、つんばるさんです!
上記の通り、私とつんばるさんのオリジナルキャラ(マスター)が登場します……というか、マスター(♂)×マスター(♀)です。
そして、ところによりカイメイ風味ですので、苦手な方は注意してください。

おk! という方は……。

(つ´ω`)<ゆっくりしていってね!>(・ω・春)



*****




俺がコラボの参加に同意してからは、話はかなりスムーズに進んだ。
美憂は一切関わらず、俺とアキラだけで曲作りを進めていく事。
共同での作業は、交代でどちらかの家に集まって行う事。
1回目は、来週末、俺の家で。
ちなみに、決めたのはほとんど女性陣だ。


「……今のところは、大体これくらい決めとけばいいですかね」

「そだね~。じゃ、キリもいいし、ここで解散ね~」


解散のタイミングまで決めるのかよ。
まぁ、俺もアキラも異論はないからいいんだが。
会計を済ませて飲み屋を出ると、少しひんやりした夜風が肌にまとわりつく。


「じゃあね、アキラちゃん。うちの従兄弟をよろしく~!」

「了解です! じゃ、来週、お願いしますね、ハルちゃん先輩」

「ああ、こちらこそよろしく。それと、ハルちゃん言うな」


そう言ってやると、アキラは可笑しそうに少し笑って、そこから歩き去った。




―Grasp―
悠編 第一話




小さくなっていくアキラの背中から外した視線を、俺の背後に向ける。


「美憂、ちょっといいか」

「ん~?」


間延びした声に構わず、俺は彼女を軽く睨んでやった。


「……どういうつもりだよ」


問いかけると、緩みまくっていた彼女の笑みが、唇の端を上げるだけの微笑へと変わった。
俺のこの問いを予想していたかのような、それほどあっさりとした態度だった。


「何を焦ってるの?」


その声も落ち着いていて、先ほどまでのテンションの高さが嘘のようだ。
こいつ……まさか酔ったふりをしていたんじゃないだろうな。


「焦ってなんか……」

「嘘。さっき、すっごく焦ってたじゃない。今もそうでしょ」


誤魔化そうとした俺の言葉を、すぐさま否定して、美憂の笑みに、困ったような表情が加わった。


「まったくあんたは……昔から、抱え込んで誤魔化してばっかりなんだから」

「何を……?」

「アキラちゃんの事、好きなんでしょ」


まっすぐな言葉に、俺は絶句する。
そんな馬鹿な事があるものか。
俺の事を先輩とか言いながら見下してるし、口は悪いし、何が悲しくてあんな奴を好きにならなきゃならんのだ。
だがそんな考えも言葉にはならず、ただ頭の中に所在なさげに響くだけだった。


「別にあんな奴、好き、とか、そんな事……」


口先で否定するほど、俺の考えとは裏腹に、確信が深まっていく。
そりゃ、あいつの事は嫌いじゃない。
彼女と音楽について意見をぶつけ合うのも、酒を酌み交わすのも、楽しい。
けれど、好きだなんて意識した事は、なかった。
いや……俺がそんな感情を持ってしまえば、彼女を傷付けてしまうに決まっているから……意識したくなかった、だけかもしれない。
たどり着いた答えに、中学生の頃の記憶が蘇る。
……なんでだ、俺。
もうあんな苦しい思いはしたくなかったはずだろう?
なのに、どうして……。


「嫌よ嫌よも好きのうち、ってね。コラボの事を持ちかけたら、悠は絶対に嫌がるだろうけど、絶対に乗ってくると思ってた」


当たってたでしょ? と、美憂は手を伸ばして俺の頭を撫でた。


「ごめんね、悠には辛かったかもしれない。でも、悠が怯えて何もしないで、それでまた終わっていっちゃうのを見るのは、私も、もう辛いから」


ああもう……美憂はずるい奴だ。
こういう時の彼女の言葉は、誰に何を言われるより、すとんと入り込んでくる。あっさり受け入れてしまう。
それは俺が、こいつの親戚だからか、それともあの日の記憶から抜け出せていないからか。
もしかすると、両方かもしれない。


「ちょっとだけでいいから、頑張ってみて。私にできるのは、これくらいしかないけれど」

「……手、どけろ。子供扱いするな」


素直に頷くのが癪で、なんとかそう返したが、美憂は苦笑して手をどけただけだった。
きっと彼女には、解ってしまっているんだろう。
俺には、彼女の言葉を拒む事なんかできないって事が。


「それじゃ……歌、期待してるね」


最後にそう言って、美憂は俺に背を向けて去っていった。
俺はしばらくそこに立ち尽くしていたが、我に返って帰路についた。
自宅に着くと、明かりはもう消えていた。


「……ただいま」

「お帰りなさい。遅かったですね」


玄関を開けて、一応小声で呼びかけると、同じくらいの小声で返事が返ってきた。
見ると、部屋の戸が開いて、カイトが顔を出していた。
女性陣が寝ている部屋からは何の物音もしない。
もう皆眠ってしまったようだ。


「起きてたのか」

「俺以外はみんな寝ちゃいましたけどね。……何かあったんですか?」


その問いに、ぴくりと体が反応してしまう。

「……そう見えるか?」

「ええ。何だか……いい事と、ちょっと悪い事が一緒に起きたみたいな、そんな感じがします」


言葉を選ぶと言うより、表現に困っているようなカイトに、俺はつい笑ってしまった。
カイトがいる部屋へとそっと入ると、彼の言った通り、レンが寝息をたてていた。
普段の雑魚寝の体勢ではあるが、俺がいなかった分、心なしかのびのびとしている気がする。
彼の寝顔を見ながら、俺は白状した。


「コラボ、やる事になった」

「え?誰とですか?」

「……アキラと俺の、2人。お前とめーちゃんに歌ってもらうつもりだから」


それを聞いた途端、暗がりでもわかるくらい、カイトの表情がぱっと明るくなった。


「本当ですか? アキラさんのところの皆さんと歌えるんですか?」

「ああ。予定だけどな」

「わぁ……! すっごく楽しみです!」


彼の言葉と笑顔は、本当に純粋に楽しみにしているもので。
それが、やけに頭に焼き付いた。


翌日から、アキラと何度かメールでやりとりしながら、大まかな事だけは決めていった。
曲をどうするかとか、結局誰に歌ってもらうのかとか、そういう事を。
当初の予定通り、俺のとことアキラのとこのKAITOとMEIKOに歌ってもらう事が決まり、歌う本人に伝えたところ、2人とも、嬉しそうな笑みを見せてくれた。
また、楽しみだという言葉と一緒に。


「……楽しみ、か」


アキラがうちに来るのは、今日。
あれからもう1週間たったなんて、信じられないが、時間の流れは、俺が思っていたより速かったらしい。
……そうだな、俺もすごく今日が楽しみだった。
何故なのか……単にコラボという企画が楽しいと感じているだけとは思えない。
それを、あれからずっと考えていた。
そして何度考えても、たどり着く答えは同じで……気が付くと、それを否定し続けるだけの根性も、理由も、なくなっていた。
またあの日のように、酷く苦しむ事になるのかもしれない。
あいつを傷付けてしまうのかもしれない。
だが……やはり、自分に嘘は吐けない。


「……これで文句ないだろ、美憂」


美憂に諭されたのには少々不満だが、認めよう。
いいタイミングで鳴った呼び鈴の音に応えるべく、俺は立ち上がりながら、胸の内で呟いた。

……俺は、アキラの事が好きだ。

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • 作者の氏名を表示して下さい

【オリジナルマスター】 ―Grasp― 第一話 【悠編】

実は前からこっそりそういう事を考えていたんですが、なんとコラボで書ける事になってしまった。
コラボ相手の方とそのオリキャラさんが素敵すぎて、緊張しております……!


わっふー! どうも、桜宮です。
悠さん、自分の気持ちを自覚する、の巻。
自覚は早くても、ここからどうするのかが問題なわけで。
悠さんはDropでのあの一件以来、精神面で美憂さんにかなり依存してると思います。
お互い、従姉弟というより姉弟に近い感覚だと思ってたり。


実は今回連絡を取り合っているうちに、私が軽いパソ禁を食らってしまいまして……。
と、言いますのも、私、何気に受験生だったりするんですよ。来年の夏ですけど。
でも、多分息抜きとか言って書き溜めちゃうので、まだしばらく休止はしませんけどね^^
学校の課題とかでPC使う時もありますし(蹴
本当にもう、ややこしい事になってすみません、つんばるさん。
頑張ります、色々と……!




東雲晶さんの生みの親で、アキラ編を担当しているつんばるさんのページはこちらです。
http://piapro.jp/thmbal

閲覧数:394

投稿日:2009/09/08 15:39:46

文字数:3,174文字

カテゴリ:小説

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  • 桜宮 小春

    桜宮 小春

    ご意見・ご感想

    たすけさん>
    お、落ち着いてくださいww
    今回はちょっとだけ頑張りましたー^^
    ちょっとだけなのは、これからまた頑張らなきゃだからです←
    応援してあげてください、悠さんなら頑張ってくれるはずです^^
    あんなのでよろしければ、いくらでも持ってって下さい(笑
    たすけさんのとこの娘さんも、可愛くていい子だと思いますよ、私は好きです^^
    尻尾……(笑
    頑張りますので、待っててください!
    コメントありがとうございました!

    2009/09/10 20:49:58

  • +KK

    +KK

    ご意見・ご感想

    ぎゃあぁぁぁ!あ、ごめんなさい、+KKです。
    これは叫ばざるをえない。自重できない。(つんばるさんに背中押されたとか言えない)
    応援するから頑張れ悠さん!
    あと、その格好良さをうちの子に分けてやってくれまいか(真剣
    これからどうなるかとても楽しみなところ・・・尻尾振って待ってます!

    2009/09/09 21:55:22

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