「♪~♪~」

屋上に行くと、どこからとなく聞こえる鼻歌。

いつも私は聞き惚れてしまう。

聞いたことないなぁ、なんて最初は思ってたけど、いつしか私の中ではかけがえのない音になっていた。

いつ聞いたのか分からないメロディー。

題名も知らないメロディー。

いつしか私もあのメロディーを奏でていた。










「♪~♪~」

いつもの場所でいつも聞くメロディー。

今日はいつもより大きく聞こえる。

もしかしたら、近くに…

予想は当たった。

そこには、綺麗な顔立ちの少年。

目を奪われた。

その少年は私に気付かない様子で、鼻歌を奏で続けている。

「あ」

思わず声が出てしまった。

「誰?」

こっちに向かってくる。

「あ、あの…」

「…盗み聞きなんて趣味悪いね。」

「…すいませんっ!!とても素敵な歌だったので…」

「……ふーん。」

どうしよう、怒ってる…

「あのさ」

「はい!?」

「これ、素敵な歌か?」

「はい、とっても!」

そう聞いて彼は一瞬悲しいような、虚しいような顔をした。

「そうか。」

それから彼はこの場を去ってしまった。












それから何日間、彼は屋上に訪れることはなかった。

鼻歌を聞く機会もなくなった。












いつからだろう。

彼をこんなに愛しいと思い始めたのは。

鼻歌を聞いてから?

顔を見てから?

いいや、始まりなんてどこにもない。


だから、終わりもない。













「好きなんだ。」

屋上で。

屋上で、彼は告白していた。

もちろん、私なんかじゃない。

“好き”っていってないのに。

彼の気持ちを知って、私の顔は歪む。

あぁ、視界もか。

「ごめんなさい」

彼に告白された女の子は申し訳なさそうに言った。

雨上がりの水溜まりに映るアホ面。

誰だ、この醜い顔は。

「あれ…?私だ…。」

ホントに醜い。

“好き。”

好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き

大好き。

「好き…っ」

「…お前……」

断られたばかりで彼の目元にはうっすらと涙が浮かんでいる。

「好き、なの。だから、好きで、いい…?」

少し驚き、そして彼は優しく微笑んだ。

「良いよ?」

「いいの?私なんかが好きでいて。」

「良いよ。もっと、好きになって。」

優しい彼。

優しいメロディー。

私は優しさに支えられてる。

だから、私も彼に優しさと愛を捧げよう。

この優しさが終わらないように。




あなたが、幸せでありますように。





fin.

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

相愛性理論 ver.禀菟

なんか違くね!?
DECO*27さんすいません!!
悲しさと喜びが合体した素晴らしい楽曲ですよね!!

お題出し合いです!

閲覧数:111

投稿日:2011/07/29 21:30:32

文字数:1,110文字

カテゴリ:小説

  • コメント2

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  • 檸檬飴

    檸檬飴

    ご意見・ご感想

    おおっ!!
    これは『キュー.+゜*(о゜Д゜о)*゜+.ーン☆』と来るね☆
    ホント可愛らしい(*^^*)


    次のお題出さないの?

    2011/07/29 22:16:45

  • 魔熊

    魔熊

    ご意見・ご感想

    違ってないよ!
    良い話だったよ。
    なんか二人とも可愛いくて、優しい感じだった(*^^*)

    心が惹かれる曲って、私も聴きたいっ!!

    2011/07/29 22:04:43

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