「私、貴方のこと別に好きじゃないから」

何を言ってるか分からなかった。

ずっと一緒に楽しくやってきたじゃないか。

それに僕を愛してる、と言ってくれた。

だから僕は一生懸命君を愛したんだ。

でも、この言葉だ。

一体君に何があったんだ?

「え、ま、待ってよ。僕たち、愛し合ってたよね…!?」

「人の気持ちほど変わりやすいものなんてないんだよ」

風が僕たちの間を吹き抜ける。
まるで僕たちを隔てる壁のように。

「は、」

可笑しい。笑っちゃうよ。

「ははは、」

君の気持ちが変わった?
人の気持ちは変わりやすい?

ほんと、可笑しい。

「ははははは!」

「え、っ」

君は僕が突然笑い出したからか、戸惑ってるみたいだ。

「可笑しい可笑しい可笑しい可笑しい可笑しい可笑しい!可笑しいんだよ、このセカイは!!」

そうだ、可笑しいのはこのセカイ。

君と僕は可笑しくない。

そうか、夢か。
夢なら納得がいく。
嫌な夢だなぁ。
早く醒めないかな。

そして、君とまた笑い合いたいな。

愛してる、と何度も言い合って、共に沢山の時間を過ごすんだ。

にしても、リアルな夢だ。

頬に伝う涙の暖かさまでも感じられてるよ。

「、可笑しいよ、わ、私帰る…!」

可笑しいのは僕じゃない。

君がいくら何をしても言っても傷付かないよ。
だって、全部夢だから。

覚めれば君が笑いかけてくれるから。

ズキリ。

あれ、可笑しいな。
胸が痛い。

リアルすぎるよ、この夢。

「ああ、そっか」

全部壊せば。

全部壊せば、夢は醒めるんだ。

なら、早く壊そう。

早く、早く早く早く早く早く早く早く早く早く。

きっと夢が醒める。

だから許してよ。
君を壊すことをさ。

「な、何するの!?嫌あああ!!!!」

お願いだからじっとしててよ。
僕は早く終わらせなきゃいけないんだ。

叫び声もリアルだなぁ。
生暖かい朱色も、頬に伝う雫も、手にある金属独特の冷たさも。

横たわる君を見つめてみる。
でも夢が醒める気配はない。

どうして?
僕、壊したのに。

「せ、先生あっちです!」

うるさいなぁ。
雑音なんて要らないんだ。

「な、!」

あぁなるほど。
僕も壊さなきゃいけなかったのか。
当事者だもんね。

すでに染まっているそれで自らを刺す。

痛い。
熱い。

夢って五感あったっけ?

自分の身体から滴り落ちる朱を他人事のように眺めてから気付いた。

「…夢じゃ、なかった…」

信じられない現実。
僕は死ぬのか。

隣に横たわる君を見る。

君がいるセカイなら、喜んで逝くよ。

あぁ、眠い。
少し寝ようかな。

またね、***。
愛してるよ、ずっと。









fin.

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

夢現

ぎゃふん。
なにこれ病み過ぎw
“*”のとこは彼女の名前です。
やっぱり考えられなかったよ…

厨二臭はしないだろう!←

閲覧数:209

投稿日:2012/06/24 23:32:43

文字数:1,163文字

カテゴリ:小説

  • コメント2

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  • 魔熊

    魔熊

    ご意見・ご感想

    何だか憎めないヤンデレだなぁ…
    女の子が悪いような気がする。
    何か緊迫感みたいなのがあってびびったわww

    厨二でもいいじゃないか!
    私も書くと厨二臭するしww

    2012/06/25 00:14:54

  • 檸檬飴

    檸檬飴

    ご意見・ご感想


    病んでるねww
    素晴らしい病みっぷりだよ!
    やっぱりヤンデレとかいいよねー!!
    先生を壊すフラグかと思ったら、違ってたというねww

    2012/06/25 00:12:59

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