赤と青の騎士が王城に向かって歩いていると、綺麗な衣を纏った黄緑色の髪の少女が横を通り過ぎました。
「お嬢さん、ちょっといいですか」
青の騎士が通り過ぎ様に少女を呼び止め、彼女は驚き振り返りました。
赤の騎士は青の騎士を呆れた顔で見ています。
「瞼を腫らせてどうしました?何か悩みがあるのでしたらどうぞ僕に相談してください」
爽やかに微笑む青の騎士に、黄緑の少女は困惑を隠せません。
そこへ赤の騎士が助け船をだしました。
「驚かせてしまいすみません。
私達は東の王の使者です。
よろしければ何か力になれるかもしれないので、話をきかせて貰えませんか?」
優しく微笑む赤の騎士に少女は少しずつ、話し出しました。
西の国の姫であること、この国の現状、自分のまわりのこと、女帝の真意、金糸雀のこと、おとぎ話のこと…
「じゃあ、その都に向かうのかな?」
「はい」
決意を瞳に宿して姫君は答えました。
「よかったら、僕達も一緒に連れて行ってくれないかな」
「きっと貴女の力になれると思います」
二人は姫君について行くと言いました。
「良いのですか…?」
会ったばかりの二人が何故自分と共に行くと言ってくれるのか…姫君は困惑しました。
「東の王は西の国の現状を憂いています。その憂いを払うのが私達の役目です」
「そう、君の望みと僕達の目的もきっと同じだろうから…だから一緒に連れて行ってくれると嬉しいな」
二人は微笑んで頷きました。
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姫君は涙ぐみながらそっと微笑みました。
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