第四章   
    
早朝、4時頃まで起きていた私なのだが、やはり眠る事は出来なかった。
私の頭の中は色々と動いている様にも感じる。
今日は何をしよう、私が「楽しい」と思える事をしよう、そんな事を考えながらベッドから起き上がる。
洗顔を済ませ、私は「今日」という1日を楽しめる様に努力する事にした。
あれからというもの私にdmをしてくれる様な人は誰一人居なかった。
淡い期待にも似た様なdmも一切来なくなった。
人に「期待」するのは自分勝手だな、と私は思う。
変に期待なんてしまうから「裏切られた」なんて自己否定をされた様な感覚に陥るのだ。
それなら誰にも「期待」なんてしなくて良い。
私は所詮「人間不信」であるからこそ、誰も信じていないし、それが一番気が楽なのだ。
自分で矛盾してるな、とつくづく思う。
「人間不信」なのに、どこかしらで人に「期待」をしてしまっているのだろう。
そんな事辞めよう、そんな風に捻くれた考えに至った。
朝から私なりに忙しない時間を過ごし、私は1人の時間を思う存分楽しんでいた。
「楽しく話そう」そんな言葉とは裏腹にdmは一向に来る事は無かった。
パートナーが帰って来るまで一人の時間を楽しみつつ1日が終わっていく。
本当に詰まらない日々だった。
そろそろパートナーも帰って来る時間になっていた。
今日も何も話す事がないであろうパートナー。
段々と夜になりつつある私に待っている時間は「孤独」な時間なだけだった。
冬の寒さも段々と厳しくなる中私は独り外へと出る。
パートナーはすっかり眠ってしまっていたからか、気が楽だった。
そう、私にとっては「笑わなくて良い時間」。
パートナーと話す事はなくとも私は常に人懐っこく笑って居た。
それが尋常じゃなく酷く疲れてしまう。
深夜帯にもなり、「孤独感」に苛まれながら、私は外で煙草を吸っていた。
毎日の様に「孤独感」に襲われているのならいっその事、私から誰かしらにdmを送ってみよう、そんな考えに至る。
冷え切ってしまった身体で家に入り、今日はコーヒーを入れた。
「いっその事」と開き直った私はインスタを開く。
数時間に渡り、インスタを見ていた時にとある人に目が留まった。
なんとなく、だったのだが何故かその人の事が知りたくなったのだ。
私は勇気を振り絞り、「よし」と私なりに気合を入れdmを送ってみる事にした。
返事がくるかは分からない、そんな曖昧な私の嫌いな「世界」での精一杯のdmという努力。
私の精一杯の勇気の「努力」は報われるのだろうか、そんな事を思いながら「寝よう…」
そんな現実逃避にも似た感覚で私はベッドへと潜り込んだ。
「期待」だけはしない様に私は私を守るかのように暗示をかけて、眠りへと落ちて行った。

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

月は嗤い、雨は鳴く

人に期待したくないのに、どこかしらで期待してしまう主人公。
「孤独感」に苛まれながら、インスタをなんとなく開く。

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投稿日:2024/03/12 17:16:35

文字数:1,155文字

カテゴリ:小説

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