あれから一週間、彼女は何度も声を掛けようとした。
しかし、いざ近付こうとすると緊張して、その一歩が踏み出せない。

しかも…

「仲良くしてくださいっ!!」

「あっ、ズルイ!!」

女子の取り巻きが邪魔だ。

名前は人伝に聞いた。
やはり彼らは双子らしい。
背の低い髪を縛っているのが鏡音レン。
そして背の高い髪を縛ってないのが鏡音リント。
当然ながら、リントが兄だ。

「あっ!!」

急にリントが彼女を指差した。

「キレイな髪だね!!」

段々近付いてくる。

「いやっ…えっ…あの…っ!?」

「やっぱりキレイなピンク色~。桜みたいだね!!」

ふわっと、何やらいい匂いがする。
これは…柑橘類…?
と匂いに集中していた彼女の髪から彼の手が離れた。
よく見ると、髪縛ってない。おそらく兄のリントだろう。

あの事を聞くなら今がチャンスだ。

「あっあの!!この前手紙拾ってくれてありがとうございました…!!」

「え?何のこと?」

リントじゃ…ないようだ。

「あっ、失礼しました!!」

「先輩だよね?何で敬語?」

「えっと…その…」

「まぁいいや。えっと、名前は?」

「巡音ルカですっ!!」

「そうなんだ。俺鏡音リント。よろしくね。」

そう言って彼は笑った。

「はっ…はい!!」

リントと手紙の少年は違うみたいだけど、それでも嬉しい。

「またね~ルカ!!」

「はいっ」

嬉しさを胸に彼女はその場を後にした。

「リント」

「レン、盗み聞き?」

「なんのつもりだ。」

「怖い顔しないでよ。」

「いつもだ。リントはいつも嫌なことから逃げる。」

「…わかってるって。」

「忘れんなよ。」

彼は彼女が去っていった方向に歩いていった。

「は…俺があの女が好きだって勘違いしてんのか。やめて欲しい。そんなことは分かってるっつうの。」

自嘲的な笑みを浮かべながら彼は彼女らとは逆方向に歩き出した。






続く。

この作品にはライセンスが付与されていません。この作品を複製・頒布したいときは、作者に連絡して許諾を得て下さい。

ある少年と‥②

はい、リントとの出会い(?)ですね!!
次はレンとルカを出会わせるつもり(^q^)

やっぱりルカリトうまi((

閲覧数:202

投稿日:2011/04/27 20:52:15

文字数:830文字

カテゴリ:小説

  • コメント2

  • 関連動画0

  • 魔熊

    魔熊

    ご意見・ご感想

    リントカッケー!
    ルカの手紙を拾ったのは…レン?
    続きが楽しみO(≧▽≦)O

    2011/04/27 20:57:18

  • 檸檬飴

    檸檬飴

    ご意見・ご感想

    結局はレンなの?
    でもリントなんかグッとくるねww
    続きが気になる(>_<)

    2011/04/27 20:57:17

オススメ作品

クリップボードにコピーしました